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【非接触事故の過失割合】弁護士に依頼して1日で過失割合20:80から10:90に変更させた事例

Aさん 20代・男性・大学生

【非接触事故の過失割合】弁護士に依頼して1日で過失割合20:80から10:90に変更させた事例

解決事例のポイント

非接触事故の文献・判例を提出して示談交渉し、弁護士依頼後1日で、過失割合を20:80から10:90に変更させた

 

法律相談前

Aさんは20代の男子大学生です。

夜間、原動機付自転車に乗って走行していたところ、駐車場から突然車が出てきたため、驚いて転倒してしまいました。

保険会社の担当者からは、車とぶつかったわけではないし、過失割合は20:80より良くなることは無いと言われてしまいます。

Aさんは、この過失割合が妥当かどうか分からなかったため、弁護士に依頼をすることにしました。

 

示談交渉(非接触事故の過失割合)

このケースでは、バイクと車とが衝突していませんので、非接触事故の過失割合が争点となっています。

衝突したケースでは、別冊判例タイムズ38号「民事交通訴訟における過失相殺率の認定基準」(全訂5版)という文献をベースとして過失割合が定められることが多いですが、この文献には、非接触事故についての該当図がありません。

そこで、非接触事故の過失割合について記された文献や裁判例をもとに書面を作成し、保険会社宛に送付して、かつ書面送付と同時に電話を掛けて示談交渉をしました。

交渉内容は下記のとおりです。

① 結果論である非接触の事実それ自体は直ちに原因論である過失割合に影響を及ぼすものではなく、非接触事故における過失相殺の判断においても、接触事故の場合と同様、原則として別冊判例タイムズ38号「民事交通訴訟における過失相殺率の認定基準」(全訂5版)等に示されている事故類型ごとの基本割合を出発点とするべきである。

② 非接触の事実それ自体は何人かの帰責性を基礎付けるものではないので、保険会社から非接触の事実の主張がなされるだけでは過失割合は20:80とはならず、20:80を求めるのであれば、被害者の事故回避措置の不適切性を保険会社の側で立証しなければならない。

③ ②の立証を保険会社が行う場合、過失割合は時間的・空間的・心理的諸状況を総合勘案して判断されるべきものであり、具体的には、①被害者が相手車両を発見した地点・時点、②その際の双方の距離・速度、③通常人がこれらを認識した場合、動揺・驚愕するか、その程度、④被害者が事故回避措置を開始した地点・時点、⑤発見時から事故回避措置開始時までの状況、⑥事故回避措置の内容及びその結果等を総合考慮し、被害者のとった事故回避措置が当該状況の下で通常人ならばとり得る事故回避措置を逸脱するものであったことを立証しなければならない。

以上の①~③を文献や裁判例に基づいて説明をしたところ、保険会社より「先生がそこまでおっしゃるなら過失割合20:80は諦めます」との回答をもらい、弁護士依頼後1日で過失割合が20:80から10:90に変更されることになりました。

 

弁護士小杉晴洋のコメント:過失割合の示談交渉は被害者側専門の弁護士にお任せください

保険会社の決裁というのは、文献や判例や証拠に基づく根拠を示さなければ変更されないことが多いです。

これらの根拠を示して交渉していくのが、まさに弁護士の仕事ですので、保険会社から言われている過失割合が妥当なものであるかどうか分からないといった方は、まずは被害者側専門の弁護士に相談されることをおすすめします。

この記事の監修者弁護士

小杉 晴洋 弁護士
小杉 晴洋

被害者側の損害賠償請求分野に特化。
死亡事故(刑事裁判の被害者参加含む。)や後遺障害等級の獲得を得意とする。
交通事故・学校事故・労災・介護事故などの損害賠償請求解決件数約1500件。

経歴
弁護士法人小杉法律事務所代表弁護士。
横浜市出身。明治大学法学部卒。中央大学法科大学院法務博士修了。

所属
横浜弁護士会(現「神奈川県弁護士会」)損害賠償研究会、福岡県弁護士会交通事故被害者サポート委員会に所属後、第一東京弁護士会に登録換え。