交通事故の解決実績

示談 弁護士費用特約 追突 四輪車vs四輪車 腰・胸 自営業 むち打ち・捻挫等 慰謝料 逸失利益 14級

【頚椎捻挫・腰椎捻挫】追突事故によるむち打ち併合14級の自営業者につき、後遺障害等級が複数あることの支障を立証し、後遺障害等級13級相当の示談解決をした事例

Nさん 50代・男性・自営業

【頚椎捻挫・腰椎捻挫】追突事故によるむち打ち併合14級の自営業者につき、後遺障害等級が複数あることの支障を立証し、後遺障害等級13級相当の示談解決をした事例

解決事例のポイント

① 治療直後から弁護士が介入し、頚椎捻挫・腰椎捻挫のむち打ち症状について後遺障害等級併合14級を獲得
② 後遺障害等級14級が2つの認定されたことを強調して仕事の支障を立証し、後遺障害等級13級に相当する逸失利益を獲得
③ 裁判基準よりも高い後遺症慰謝料を認めさせる

 

相談前

Nさんは50代自営業の男性です。

配達中のため車を運転していたところ、後方から来た車に追突され、むち打ち症を負ってしまいました(頚椎捻挫・腰椎捻挫)。

Nさんは、首や腰を痛めましたが、自分が仕事をしないとお店が回らなくなってしまうので、仕事を休むことができません。

弁護士費用特約に加入していたこともあり、交通事故の処理は弁護士に任せることにしました。

 

法律相談

Nさんのケースは、追突事故によるむち打ち(頚椎捻挫・腰椎捻挫)ということで、日本で最も多い交通事故類型ということになります。

追突事故でむち打ちになってしまった被害者の方のケースは100件以上解決してきていますから(弁護士一人あたり)、これまでの解決例をもとに、Nさんにも治療中の注意点や今後の流れについて説明をいたしました。

むち打ち事故の解決法の詳細については、こちらのページをご覧ください。

 

むち打ち症での治療期間中の動き

Nさんには、仕事の合間に週2~3回の頻度でリハビリに通ってもらい、症状が完治しない場合は、最低限6か月間はリハビリを続けるようにお願いしました。

これは、Nさんの慰謝料額を減らさないためと、症状が残ってしまった場合に後遺障害等級を獲得するためのアドバイスです。

Nさんは、交通事故から半年間治療を続けましたが、首や腰の痛みは完治していませんでした。

主治医の先生曰く、もう1か月間様子を見たいということでしたので、保険会社に交通事故から7か月分の治療費をみるよう交渉し、更に1か月間リハビリを続けてもらいました。

交通事故から7か月経過した時点でも首や腰の痛みが残っていたことから、主治医の先生とも相談を市、この時点で症状固定として、後遺障害診断書を書いてもらうことにしました。

 

むち打ち症の場合の後遺障害診断書の作成と後遺障害等級併合14級の獲得

Nさんには、手足の痺れはなかったことから、脊髄症状や神経根症状がないことになり、この場合、目指す後遺障害等級は併合14級ということになります。

後遺障害等級併合14級を目指す場合、事故態様における被害者の方の身体への衝撃の強さを立証することが必要となってきますが、そのほか、主治医の先生に対するお願いとして、後遺障害等級を獲得しやすいような後遺障害診断書を書いてもらうことが必要となってきます。

具体的には、

①自覚症状欄は、●●の時に首が痛い/腰が痛いなどの詳細は説明はせずに、端的に「頚部痛」「腰痛」と記載してもらうこと
②他覚症状の欄に、椎間板の変性所見やジャクソンテスト・スパーリングテスト・SLRテストなどの陽性所見があれば記載してもらうこと
③今後の見通しについて、症状固定であることや、症状が持続することを書いていただくこと

などをお願いすることになります。

また、

④後遺障害診断書以外にも「症状の推移について」という書式にご記入いただき、症状の推移に不自然さが無いこと

を立証していくことになります。

これらの注意点を弁護士名義の書面に起こし、Nさんに後遺障害診断を受けてもらうことにしました。

こうして取り付けた医学的証拠をもとに、こちら側で後遺障害等級の申請を行います。

なお、加害者の保険会社に後遺障害等級の申請をお願いすることもできますが(事前認定といいます。)、Nさんのケースで事前認定を利用すると、後遺障害等級非該当となることが予想されたため、保険会社には任せず、弁護士名義で後遺障害等級の申請を行います(これを被害者請求といいます。)。

そうしたところ、頚椎捻挫・腰椎捻挫の双方について後遺障害等級14級9号を獲得することに成功し、併合14級であるとの認定を受けることができました。

 

労働能力喪失9%労働能力喪失期間7年という13級相当の逸失利益を獲得し、また、裁判基準以上の慰謝料額を獲得することで示談解決

後遺障害等級の認定がなされた場合には、後遺症が残ってしまったことに対する慰謝料である後遺症慰謝料と、後遺症のせいで将来働きづらくなってしまうことによる損害である逸失利益の2つを追加請求することができるようになります。

後遺障害等級14級の場合、後遺症慰謝料は満額で110万円とされていて、逸失利益は収入額に労働能力喪失率5%と労働能力喪失期間5年に対応するライプニッツ係数を掛け算して計算されることになっています。

しかしながら、Nさんが認定を受けた後遺障害等級14級は2つありますので、裁判基準の原則どおりの損害計算では、後遺障害等級1つの方の場合と比べて不均衡となってしまいます。

そこで、示談交渉の方針として、後遺障害等級14級の認定を2つ受けていることを強調して、Nさんの仕事にどのような支障が生じているのかを具体的に立証して進めていくことにしました。

そうしたところ、慰謝料額は裁判基準満額から更に25万円増額して認められることになり、逸失利益は労働能力喪失率9%・労働能力喪失期間7年という後遺障害等級13級相当の額が認められることになりました。

 

弁護士小杉晴洋のコメント:慰謝料額や逸失利益は、被害者側専門の弁護士によって、裁判基準以上の損害賠償額となることがあります

Nさんの後遺障害等級は14級で、画像所見などから考察していもこれ以上後遺障害等級が上がるような事案ではありませんでした。

ですので、本来は、後遺障害等級14級ベースでの示談解決となります。

しかしながら、Nさんは、2つの部位に後遺症を残していて、それが原因で、交通事故の前と比べると、仕事に大きな支障が生じていました。

そこで、この点を強調して、具体的に立証することで、後遺障害等級14級前提ではなく、後遺障害等級13級に相当する水準で示談解決をすることができました。

損害賠償額の算定は後遺障害等級によって自動的に定まるものではなく、工夫次第で、裁判基準と呼ばれる金額から更に高額な損害賠償水準まで押し上げることができます。

これは被害者側専門の弁護士でなければ困難なことですので、人身事故被害に遭われた方は、被害者側専門の弁護士に法律相談をされることをおすすめします。

なお、後遺障害等級併合14級の問題点について講演をおこなっておりますので、併合14級の詳細についてはこちらのページをご覧ください。

この記事の執筆者

小杉 晴洋
小杉 晴洋

被害者側の損害賠償請求分野に特化。
死亡事故(刑事裁判の被害者参加含む。)や後遺障害等級の獲得を得意とする。
交通事故・学校事故・労災などの損害賠償請求解決件数1000件超。

経歴
小杉法律事務所代表弁護士。
横浜市出身・福岡市在住。明治大学法学部卒。中央大学法科大学院法務博士修了。

所属
横浜弁護士会(当時。現「神奈川県弁護士会」)に登録後(損害賠償研究会所属)、福岡県弁護士会に登録換え(交通事故委員会所属)。