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【頚椎捻挫・腰椎捻挫・右肩関節捻挫】後遺障害等級14級が3つ認定されたことを理由に、逸失利益10%10年が認められ、720万円の示談解決

Eさん 30代・男性・会社員

【頚椎捻挫・腰椎捻挫・肩関節捻挫】後遺障害等級14級が3つ認定されたことを理由に、逸失利益10%10年が認められ、720万円の示談解決

解決事例のポイント

① 頚椎捻挫・腰椎捻挫・肩関節捻挫の3つについて後遺障害等級14級を獲得
② 後遺障害等級3つの認定を受けたことを強調して交渉し、後遺障害等級14級の逸失利益水準の4倍となる、労働能力喪失率10%・労働能力喪失期間10年を認めさせる
③ 裁判基準よりも高い通院慰謝料と後遺症慰謝料を認めさせる
④ 後遺障害等級14級で720万円の高額示談解決

 

相談前

Eさんは30代会社員の男性です。

バイクに乗車し、右折待ちのため停止していたところ、前方不注視で交差点内に進入してきた四輪車に衝突されてしまうという事故に遭ってしまいます。

Eさんは、この交通事故により、頚椎捻挫・腰椎捻挫・右肩関節捻挫の診断を受けます。

痛みの症状を治すためリハビリを続けましたが、完治することは無く、主治医の先生に後遺障害診断書を書いてもらうことになりました。

加害者側の保険会社からは、後遺障害診断書を提出してもらえれば、こちらで後遺障害等級の申請をすると言われますが、保険会社の担当者に言われるがままに手続を進めてしまって良いものか不安になり、資料を持参して弁護士に法律相談してみることにしました。

 

法律相談

Eさんの持参した資料を確認したところ、首や腰について椎間板の突出による脊髄や神経根の圧迫は認められなさそうで、また、肩についても、腱板断裂・関節唇損傷といった所見は認められなさそうな状況でした。

これらの所見があると後遺障害等級12級13号の獲得を目指すことになりますが、こうした所見が無い場合、後遺障害等級14級9号の獲得を目指すことになります。

それぞれの後遺障害等級の要件をEさんに説明し、Eさんがご持参された資料が医学的な証拠のすべてではなかったため、他の医証を取り付けて分析した上で、後遺障害等級の申請を行う方針としてご依頼を受けることにしました。

 

頚椎捻挫・腰椎捻挫・肩関節捻挫の3つの後遺障害等級14級を獲得

カルテなどのEさんの医学的証拠をすべて取り付け分析したところ、やはり首や腰について椎間板の突出による脊髄や神経根の圧迫所見や腱板断裂・関節唇損傷といった所見は認められなかったことから、後遺障害等級12級13号ではなく、後遺障害等級14級9号の獲得を目指すことにしました。

ただし、このままで確実に後遺障害等級14級9号が認定されるわけではないため、新たに症状の推移などの証拠を主治医から取り付けた上で、後遺障害等級の申請を行うことにしました。

そうしたところ、頚椎捻挫・腰椎捻挫・右肩関節捻挫のすべてについて後遺障害等級14級9号を獲得することに成功し、併合14級であるとの認定を受けることができました。

 

労働能力喪失10%労働能力喪失期間10年という14級の裁判基準の4倍の逸失利益を獲得し、また、裁判基準以上の慰謝料額を獲得することで、合計720万円での示談解決

後遺障害等級の認定がなされた場合には、後遺症が残ってしまったことに対する慰謝料である後遺症慰謝料と、後遺症のせいで将来働きづらくなってしまうことによる損害である逸失利益の2つを追加請求することができるようになります。

後遺障害等級14級の場合、後遺症慰謝料は満額で110万円とされていて、逸失利益は収入額に労働能力喪失率5%と労働能力喪失期間5年に対応するライプニッツ係数を掛け算して計算されることになっています。

しかしながら、Eさんが認定を受けた後遺障害等級14級は3つありますので、裁判基準の原則どおりの損害計算では、後遺障害等級1つの方の場合と比べて不均衡となってしまいます。

そこで、示談交渉の方針として、後遺障害等級14級の認定を3つ受けていることを強調して進めていくことにしました。

そうしたところ、慰謝料額は裁判基準から更に70万円増額して認められることになり、逸失利益は労働能力喪失率10%・労働能力喪失期間10年という裁判基準の4倍の額が認められることになりました。

以上の交渉結果として、後遺障害等級14級にしては高額となる720万円での示談解決となりました。

 

弁護士小杉晴洋のコメント:慰謝料額や逸失利益は、被害者側専門の弁護士によって、裁判基準以上の損害賠償額となることがあります

Eさんの後遺障害等級は14級で、画像所見などから考察していもこれ以上後遺障害等級が上がるような事案ではありませんでした。

ですので、本来は、後遺障害等級14級ベースでの示談解決となります。

しかしながら、Eさんのケースでは、後遺障害等級が3つ認定されていることを強調して、慰謝料金額を裁判基準の満額の金額から更に70万円増額させるとともに、後遺障害等級14級の逸失利益計算の4倍の金額での示談をすることに成功しました。

損害賠償額の算定は後遺障害等級によって自動的に定まるものではなく、工夫次第で、裁判基準と呼ばれる金額から更に高額な損害賠償水準まで押し上げることができます。

これは被害者側専門の弁護士でなければ困難なことですので、人身事故被害に遭われた方は、被害者側専門の弁護士に法律相談をされることをおすすめします。

なお、後遺障害等級併合14級の問題点について講演をおこなっておりますので、併合14級の詳細についてはこちらのページをご覧ください。

この記事の監修者弁護士

小杉 晴洋 弁護士
小杉 晴洋

被害者側の損害賠償請求分野に特化。
死亡事故(刑事裁判の被害者参加含む。)や後遺障害等級の獲得を得意とする。
交通事故・学校事故・労災・介護事故などの損害賠償請求解決件数約1500件。

経歴
弁護士法人小杉法律事務所代表弁護士。
横浜市出身。明治大学法学部卒。中央大学法科大学院法務博士修了。

所属
横浜弁護士会(現「神奈川県弁護士会」)損害賠償研究会、福岡県弁護士会交通事故被害者サポート委員会に所属後、第一東京弁護士会に登録換え。