交通事故の解決実績

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【橈骨遠位端骨折・肋骨骨折・前距腓靭帯損傷・むち打ち等】妻の方が年収が高い男性について主夫であることを認めさせ、後遺障害等級併合14級で600万円以上の損害賠償金を獲得

Xさん 60代・男性・兼業主夫

【橈骨遠位端骨折・肋骨骨折・前距腓靭帯損傷・むち打ち等】妻の方が年収が高い男性について主夫であることを認めさせ、後遺障害等級併合14級で600万円以上の損害賠償金を獲得

解決事例のポイント

① 複数部位について後遺障害等級14級を獲得し、労働能力喪失期間を11年認めさせた
② 妻の方が稼ぎが高い点を立証し、主夫としての休業損害約300万円と逸失利益約150万円を獲得
③ 後遺障害等級14級としては高額となる600万円以上の損害賠償金を取得して示談解決
④ 加害者の赤信号無視を理由として裁判基準の慰謝料額から更に増額させた

 

法律相談前

Xさんは60代の男性です。

バイクを運転して、対面信号青の交差点を通過しようとしたところ、信号無視の車に衝突され、橈骨遠位端骨折・肋骨骨折・前距腓靭帯損傷・むち打ちなどのケガを負ってしまいました。

Xさんは、弁護士費用特約に加入していたことから、弁護士に依頼して、交通事故の解決をお願いすることにしました。

 

後遺障害等級併合14級獲得

Xさんのケガは、骨折や靭帯損傷を伴うものではありましたが、手術を要するようなケガではなく、入院することなく、通院のみでリハビリを続けられました。

骨折や靭帯損傷の程度は酷いものではなく、骨癒合も良好に経過しましたが、手の痛みや足の痛み、首の痛みなどが残ってしまいます。

そこで、主治医の先生に後遺障害診断書を作成していただき、被害者請求によって(加害者側の任意保険会社を介さずに)後遺障害等級の申請を行いました。

そうしたところ、見立てどおりに、Xさんの複数の残存症状について、すべて後遺障害等級14級9号を獲得することに成功し、併合14級となりました。

 

示談交渉

休業損害:男性であるが主夫として認定

Xさんはお仕事を行っていましたが、その収入は高くはなく、Xさんの家計収入は、Xさんの奥様の収入をメインとしていました。

Xさんにご事情をお伺いしたところ、ここ数年は、妻の方が収入が高く、自分が家事をメインでやっているとのことでしたので、交通事故後に仕事ができなくなったことによる休業損害を請求するのではなく、家事労働ができなくなったことによる休業損害を請求するという構成にしました。

具体的には、住民票により家庭のメンバーを特定した上で、同居家族の収入などの状況を明らかにし、妻が家計収入を支えていて、Xさんが家事労働をしていることを客観的資料から裏付けていきました。

そして、首・腰、右手関節、肋骨部、足関節など多部位に症状が存在したことを医学的証拠から立証し、家事が不能となったことを裏付けていきました。

そうしたところ、保険会社もこちらの主張を認めてくれて、約300万円の主夫休業損害が認められました。

慰謝料(通院慰謝料+後遺症慰謝料):赤信号無視による増額

示談交渉の場面ですと、慰謝料額をいくらに算定するかが争点となることが多いです。

保険会社というのは、高額な裁判基準ではなく、保険会社の基準による低額の慰謝料額で示談するよう迫ってきますが、被害者側に弁護士が就いた場合には、裁判基準をベースとした慰謝料額の交渉となります。

ただし、裁判基準というのは、あくまで裁判をした場合の基準ですから、保険会社はその満額を支払おうとせず、7割や8割での支払いで済ませようとしてきます。

ここをいかに交渉によって裁判基準満額の慰謝料額を示談段階で支払わせるかが、被害者側の弁護士の仕事のポイントということになるのですが、Xさんの場合は、加害者に赤信号無視という事情がありました。

これは、交通事故加害者の悪質性を裏付けるものですから、裁判例によると、慰謝料増額事由として位置づけられています。

そこで、Xさんの示談交渉では、裁判基準の慰謝料額を超えて、さらに1割増額するよう請求をしました。

裁判例に基づいて示談交渉を進めていったところ、保険会社もこちら側の主張を認めてくれ、通院慰謝料と後遺症慰謝料をそれぞれ裁判基準の満額から更に1割増しした金額で認定してくれました。

逸失利益

基礎収入額:主夫性の立証により交通事故前年年収の4倍以上認定

逸失利益というのは、交通事故の前年の年収をベースに算定するものですが、Xさんの交通事故善円の年収は約90万円でした。

90万円を基礎収入額として算定した場合、後遺障害等級14級のケースですと、逸失利益は20万円程度にしかなりません。

そこで、休業損害と同様、主夫性を立証して、Xさんの基礎収入額は約380万円であることを立証していきました。

そうしたところ、これが認められ、基礎収入額は交通事故前年年収の4倍以上となりました。

労働能力喪失期間:一般的な基準の2倍以上の認定

逸失利益の算定をする場合は、労働能力喪失期間の年数に対応するライプニッツ係数分の損害賠償を得ることができますが、後遺障害等級14級の場合、5年とされることが多いです。

なお、示談交渉段階では、2~4年であると主張してくる保険会社担当者も多くいます。

労働能力喪失期間5年未満というのは、到底納得できる水準ではないのですが、Xさんの場合は、後遺障害等級併合14級であって、複数部位に後遺症を残していましたので、一般的な水準である5年でも納得いくケースではありませんでした。

そこで、裁判例などを元に、5年を超える労働能力喪失期間が認められるべきであるとの主張を展開し、結果として11年の労働能力喪失期間が認められることになりまし

600万円を超える示談解決

Xさんが既に受け取っていた休業損害や治療費などを除き、後遺障害等級14級としては高水準となる、合計600万円以上の金額で示談解決をすることができました。

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この記事の監修者弁護士

小杉 晴洋 弁護士
小杉 晴洋

被害者側の損害賠償請求分野に特化。
死亡事故(刑事裁判の被害者参加含む。)や後遺障害等級の獲得を得意とする。
交通事故・学校事故・労災・介護事故などの損害賠償請求解決件数約1500件。

経歴
弁護士法人小杉法律事務所代表弁護士。
横浜市出身。明治大学法学部卒。中央大学法科大学院法務博士修了。

所属
横浜弁護士会(現「神奈川県弁護士会」)損害賠償研究会、福岡県弁護士会交通事故被害者サポート委員会に所属後、第一東京弁護士会に登録換え。