交通事故の解決実績

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【頚椎捻挫・腰椎捻挫】追突むち打ち主婦の事例で、後遺障害等級併合14級だが労働能力喪失率は12級基準の14%で認められた事例

Sさん 50代・女性・主婦

【頚椎捻挫・腰椎捻挫】追突むち打ち兼業主婦の事例で、後遺障害等級併合14級だが労働能力喪失率は12級基準の14%で認められた事例

解決事例のポイント

① 後遺障害等級14級だが、それが複数あることを強調して、後遺障害等級12級と同水準の逸失利益賠償を認めさせ示談解決
② 休業損害は仕事を休んだ金額として回収し、逸失利益は主婦業ができなくなった金額として回収
③ 弁護士変更により将来の不安解消

相談前

Sさんは50代兼業主婦の女性です。

四輪車を運転し、横断歩道歩行中の歩行者が通過するのを停止して待っていたところ、前方不注視の車に追突されてしまいました。

この交通事故により、Sさんは頚椎捻挫・腰椎捻挫の診断を受けます。

弁護士費用特約に加入していたため、弁護士に依頼することにしましたが、弁護し依頼後も今後どのようにして進んでいくのかまったく分からず、他の弁護士にセカンドオピニオンをしてみることにしました。

 

法律相談

Sさんは、今後どのように自分の交通事故事件が進むのか不安に思われていたので、今後の流れが一般的にどのように進むのか、Sさんはどのように振舞うべきか、弁護士がどの点をサポートするのかについて説明差し上げました。

1 治療

Sさんは、現在、頚椎捻挫と腰椎捻挫による首腰の痛みによりリハビリ中という状況でしたので、まずは、このリハビリを続けるということになります。

ここでの注意点がいくつかあり、注意点の1つ目は、整形外科に週2~3日リハビリ通院することが望ましいという点です。

これは、この頻度でのリハビリ通院があれば、保険会社が裁判基準の慰謝料額から減額する理由がなくなることと、あとは、この頻度で通院をしていると、リハビリの結果首の痛みや腰の痛みが残ってしまったとしても、後遺障害等級の獲得がしやすくなるという点で重要となります。

注意点の2つ目は、整形外科に通っていると、最低月に1回は、リハビリではなく診察を受けることになるのですが、その際に、症状を過小評価して伝えたり、過大評価して伝えたりしないことです。

実際は首や腰の症状が残っているにもかかわらず「先生のおかげでだいぶよくなりました」などと症状の過少申告をしてしまうと、それがカルテや診断書に記載されることになって、後々後遺障害等級の申請をする際に、「だいぶよくなりました」という記載があることから、後遺症とは評価できないとされてしまうことがあります。

また、逆に「全然痛みが取れず、むしろ前よりもどんどん悪化していっています」などと症状を過大申告していまうと、それはそれで、症状の推移が不自然であるとして、後遺症とは評価されなくなってしまいます。

診察時の症状申告は正直に話してもらうことに尽きるのですが、「痛みは少しずつ取れていっていますが、まだ残っています。」「症状は変わりません」といった表現にとどめておけば、症状申告を理由として後遺障害等級非該当の判断がなされることはなくなります。

注意点の3つ目は、症状が残っているのであれば、半年間はリハビリを継続することです。

保険会社の治療費打切りの打診などにより途中で治療をやめてしまうと、慰謝料額が少なくなってしまいますし、また、後遺障害等級も獲得しづらくなってしまいます。

症状が残っているのであれば、半年は通院しなければなりません。

注意点の4つ目は、保険会社が治療費を支払ってくれているうちに、頚部や腰部のMRI画像を撮影することです。

後々MRIを撮影するとなると、撮影費用が自腹になってしまうおそれがありますし、撮影しないとなると後遺障害等級の獲得に支障が出てしまうことがあります。

2 後遺障害等級の申請

リハビリを続けていって、症状が完治した場合には、すぐに示談交渉に進むことになります。

ここでは、症状完治までの間に被った精神的苦痛についての慰謝料請求や休業損害の請求を中心として、損害賠償額の示談交渉を行っていくことになります。

他方で、半年間のリハビリ治療を継続したにもかかわらず、症状が残ってしまった場合は、後遺障害等級の申請を行っていくことになります。

後遺障害等級の申請で1番大事なのは、後遺障害診断書をどのように書いてもらうかです。

当事務所では、後遺障害診断書の記載要領を主治医の先生にお手紙としてお渡しし、それに基づいて後遺障害診断書を作成してもらうことによって、後遺障害等級獲得の確率を上げていますので、その旨の説明を差し上げました。

また、むち打ちの場合の後遺障害等級の種類や、後遺障害等級の申請方法(被害者請求と事前認定)の違いについてもご説明差し上げました。

示談交渉と裁判

後遺障害等級の申請が終わると、その後にお金の話となってきます。

まずは、示談交渉による早期の高額解決を目指し、それがかなわなかった場合に民事裁判へと移行していきます。

損害賠償額と弁護士費用の説明

最後に、Sさんのケースにおいて、いくらくらいの損害賠償額を獲得しなければならないのかと、弁護士費用の負担がSさんにはかからないことの説明を差し上げました。

 

以上の説明をしたところ、Sさんは、今後どのように進んでいくのかが理解でき、安心されていました。

依頼中の弁護士さんが合わないこともあったため、依頼を変更されるとのことでしたので、それに応じてSさんのケースを受任することにいたしました。

治療の終了と後遺障害等級併合14級の獲得

Sさんは、その後もリハビリを続け、法律相談でお話したとおり、週2~3回の頻度で6か月間の通院をしてくれました。

しかしながら、首や腰の痛みが残ってしまったため、後遺障害等級の申請の準備をすることにしました。

こちらで主治医の先生に対してお手紙を記し、それに基づき後遺障害診断書を作成してもらったところ、無事首の痛みついても腰の痛みについても後遺障害等級14級9号を獲得することができ、併合14級の認定を得ることができました。

 

示談交渉

休業損害は仕事ベース・逸失利益は家事ベースで計算することにより、それぞれ最高額を獲得

Sさんは、交通事故時、フルタイムでのお仕事をしながら、家族のために主婦業もする兼業主婦でした。

通常は、家事ができなくなった休業損害を請求する方が損害賠償額は高くなることが多いですが、Sさんの場合、お仕事を休む期間が長かったため、休業損害証明書に基づくお仕事を休んだことによる休業損害の方が高くなるケースでした。

他方で、Sさんの交通事故前年の年収は380万円よりも下回っていたため、逸失利益の計算は主婦として算定した方が高くなります。

そこで、休業損害は仕事ベース・逸失利益は家事ベースという構成で示談交渉をし、それぞれ最高額を獲得することに成功しました。

後遺障害等級14級だが後遺障害等級12級水準の労働能力喪失率を認めさせる

後遺障害等級の認定がなされた場合には、後遺症が残ってしまったことに対する慰謝料である後遺症慰謝料と、後遺症のせいで将来働きづらくなってしまうことによる損害である逸失利益の2つを追加請求することができるようになります。

この逸失利益というのは、将来の仕事の働きづらさを後遺症の程度によって労働能力喪失率という形で計算するのですが、後遺障害等級ごとに労働能力喪失率が定められています。

具体的には、植物人間となってしまうような後遺障害等級1級の場合には労働能力喪失率100%とされ、最も低い後遺障害等級である14級の場合には労働能力喪失率5%とされています。

Sさんに認定された後遺障害等級は14級ですから、原則どおりでいくと、労働能力喪失率は5%となり、主婦としての逸失利益は約80万円となります。

しかしながら、Sさんが認定を受けたのは後遺障害等級14級9号1つではなく、後遺障害等級14級9号2つであり、併合14級とされています。

そこで、1つの後遺障害等級14級9号と同水準での労働能力喪失率計算はおかしいという主張を展開し、示談交渉しました。

また、Sさんの首や腰の痛みの症状は重く、家事労働に大きな支障が出ていたことから、Sさんから具体的に家事の支障をお伺いして、これも保険会社に対して立証をしていきました。

そうしたところ、後遺障害等級14級よりも2つランクの高い後遺障害等級12級と同水準である労働能力喪失率14%を認めさせることができました。

弁護士小杉晴洋のコメント:損害賠償額は立証次第で、裁判基準と呼ばれる金額よりも更に高額にすることができます

Sさんの後遺障害等級は14級で、画像所見などから考察していもこれ以上後遺障害等級が上がるような事案ではありませんでした。

ですので、本来は、後遺障害等級14級ベースでの示談解決となります。

しかしながら、Sさんのケースでは、後遺症の部位が複数存在することを立証し、後遺障害等級12級と同水準の逸失利益を獲得することに成功しました。

損害賠償額の算定は後遺障害等級によって自動的に定まるものではなく、工夫次第で、裁判基準と呼ばれる金額から更に高額な損害賠償水準まで押し上げることができます。

これは被害者側専門の弁護士でなければ困難なことですので、人身事故被害に遭われた方は、被害者側専門の弁護士に法律相談をされることをおすすめします。

なお、後遺障害等級併合14級の問題点について講演をおこなっておりますので、併合14級の詳細についてはこちらのページをご覧ください。

この記事の執筆者

小杉 晴洋
小杉 晴洋

被害者側の損害賠償請求分野に特化。
死亡事故(刑事裁判の被害者参加含む。)や後遺障害等級の獲得を得意とする。
交通事故・学校事故・労災などの損害賠償請求解決件数1000件超。

経歴
小杉法律事務所代表弁護士。
横浜市出身・福岡市在住。明治大学法学部卒。中央大学法科大学院法務博士修了。

所属
横浜弁護士会(当時。現「神奈川県弁護士会」)に登録後(損害賠償研究会所属)、福岡県弁護士会に登録換え(交通事故委員会所属)。