過失割合 示談 精神障害 駐車場 歩行者vs四輪車・バイク 腰・胸 主婦 14級
【PTSD(心的外傷後ストレス障害)等】保険会社示談提示額99万円→弁護士介入後336万円で示談解決
Qさん 50代・女性・主婦
【PTSD・腰部打撲】保険会社示談提示額99万円→弁護士介入後336万円で示談解決
解決事例のポイント
① 保険会社示談提案99万円⇒弁護士介入により336万円で示談解決(3倍以上)
② PTSDと腰部打撲の後遺障害等級獲得
③ 過失割合30:70⇒弁護士介入により過失割合10:90
相談前
Qさんは50代の主婦です。
Qさんは、高速道路のパーキングエリアリア内を歩いていたところ、前方不注視の車にはねられてしまい、腰を痛めてしまいます。
幸い、骨折や外傷性ヘルニアなどはなく腰部打撲という診断でしたが、治療を続けても腰の痛みがなかなか取れません。
また、Qさんは、この交通事故を機に、車が怖くなってしまい、車にひかれる夢を見て起きてしまったり、横断歩道を渡ろうとするときに恐怖がよみがえって足がすくんでしまうなどの症状が出るようになりました。
治療が終了した後に、保険会社から99万円の示談提案を受けますが、この金額で示談してしまってよいものかどうか分からなかったため、弁護士に法律相談をすることにしました。
法律相談
Qさんのご事情をお伺いすると、いまだに腰の症状が残っているということでしたので、後遺障害診断書を作成の上、後遺障害等級の申請をしてみることにしました。
なお、Qさんの診断名は腰椎打撲で、打撲診断の場合、後遺障害等級は獲得しづらい傾向にあります。
また、Qさんが交通事故後なにに困っているかを伺ったところ、悪夢で目が覚めてしまったり、車を見ると交通事故の恐怖がよみがえってきて足がすくんでしまうというところにあるとの説明を受けました。
これはフラッシュバックの症状といえ、PTSDに該当する可能性があると考えました。
Qさんは整形外科の通院しかしてませんでしたので、心療内科や精神科の通院をおすすめし、PTSD(心的外傷後ストレス障害)について診てもらうよう説明をしました。
後遺障害診断書の作成と後遺障害等級の認定(PTSD(心的外傷後ストレス障害)と腰部打撲)
腰部打撲の後遺障害診断だけでは後遺障害等級獲得に心許なかったため、心療内科にも受診してもらいましたが、見立てどおり、Qさんの症状はPTSDに該当するとの診断がなされました。
そこで、心療内科での通院を続けてもらい、主治医の先生と相談したタイミングで症状固定として、後遺障害診断書を作成いただきました。
これらをもとに後遺障害等級の申請をしたところ、腰部打撲とPTSDのそれぞれで後遺障害等級14級9号の認定がなされ、併合14級と判断されました。
なお、自賠責保険の基準上、後遺障害等級14級は何個あっても併合14級となりますので、一つ14級の認定がなされると、他の14級認定については甘くなる傾向があります。
Qさんの場合、打撲だけですと後遺障害等級14級9号を獲得できていなかった可能性があり、PTSDの後遺障害等級申請を加えたことは成功であったと思われます。
保険会社提示額99万円から336万円まで増額させての示談解決
認定を受けた後遺障害等級併合14級を元に示談交渉を行いました。
過失割合については、刑事記録の分析から立論をし、Qさんに3割あるとされていた過失を1割まで下げることに成功しました。
示談金額は当初提示の99万円から3倍以上増額し、336万円での解決となりました。
弁護士小杉晴洋のコメント:交通事故による心の支障も損害賠償額に反映されます
Qさんは、整形外科にしか通っていませんでしたが、専門家が見れば明らかにPTSDの症状が出ていました。
交通事故による恐怖体験に遭遇すると、それが突如記憶としてよみがえり、日常生活に支障を来すことがあります。
交通事故による精神的苦痛は、通常慰謝料として考慮されますが、Qさんのように、それ自体が後遺障害等級の認定対象となることもありますので、交通事故の後に精神に支障を来してしまった方については、まずは被害者側専門の弁護士に相談されることをおすすめします。
当事務所では、整形外科的な後遺症のほかに、精神科・心療内科の先生方とも数多くの医師面談を実施していて、非器質性精神障害の後遺障害等級12級13号や14級9号の獲得実績が多数存在します。