交通事故の解決実績

非該当 後遺障害等級変更 示談 歩行者vs四輪車・バイク 頭・脳 学生 高次脳機能障害 12級

【外傷性クモ膜下出血】自賠責保険非該当の方のケースで、紛争処理申請により後遺障害等級12級13号を獲得し、約1000万円で示談解決

Oさん 10代・男性・学生

【外傷性クモ膜下出血】自賠責保険非該当の方のケースで、紛争処理申請により後遺障害等級12級13号を獲得し、約1000万円で示談解決

解決事例のポイント

頭部MRI画像所見の分析に基づく紛争処理申請によって、自賠責保険非該当の判断を変更させ後遺障害等級12級13号獲得(約1000万円で示談解決)

相談前

Oさんは10代の男子学生です。

歩行中に四輪車にはねられ、頭を打ってしまいます。

幸い脳に大きな障害は起こりませんでしたが、交通事故以前よりも短期の記憶がしづらくなったように思えることがあったため、後遺障害等級の申請を行うことにしました。

しかしながら、自賠責保険の判断は、脳には何らの異常所見がないため、後遺障害等級非該当というものでした。

Oさんの親御さんは、非該当判断が妥当なのかどうか分からなかったため、弁護士に依頼してみることにしました。

後遺障害等級該当性調査

事故態様の調査

まずは、Oさんがどのような交通事故によって頭部に衝撃が加わったのかについて調査しました。

加害車両の物損資料や警察作成の刑事記録を取寄せて分析したところ、Oさんは車にはねられた後にボンネットに頭をぶつけていて、ボンネットが蜘蛛の巣状にひび割れていることが確認できました。

これは頭部への衝撃の強さを裏付けるものと評価できましたので、自賠責保険の非該当判断をくつがえす資料として使うことにしました。

脳に関する画像上の所見の存在の調査

ついで、脳に関する画像所見の医学的調査を行いました。

交通事故直後の頭部MRI画像に関する検査報告書を見ると、右前頭葉皮質沿いの高信号域の存在が指摘されていましたが、交通事故から4か月後の頭部MRI画像に関する検査報告書において、当該右前頭葉皮質沿いの高信号域は消失しているとの記載が残されていました。

おそらく、これが自賠責保険非該当の根拠となっていると考えられました。

すなわち、交通事故から4か月経過後に脳の画像所見はなくなっており、治っていると判断されたものと思われます。

しかしながら、画像所見を確認すると、交通事故直後に高信号域が認められるのは、右前頭葉皮質沿いではなく、左前頭葉皮質沿いではないかという疑念が生まれます。

そこで、医師に確認をしてみたところ、医師も誤りを認め、交通事故直後の検査報告書の記載は左右を間違えていて、元々右前頭葉皮質沿いに高信号は無く、この誤った記載を元に、交通事故から4か月後に画像所見が消失したと記してしまったとのことでした。

右前頭葉沿いの頭部画像を追っていくと、右前頭葉皮質に沿う出血後変化は一貫して認められ、脳実質の損傷を裏付ける画像上の異常所見は存在すると評価できると考えられました。

その他意識障害や日常生活状況報告

以上の事故態様や画像所見の調査のほかに、意識障害や日常生活状況報告の調査も行い、本件は後遺障害等級非該当ではないとの確証を得ることができました。

異議申立て及び紛争処理申請による後遺障害等級12級13号獲得

以上の調査結果を元に、異議申立てを行いましたが、自賠責保険の判断は非該当のままでした。

しかしながら、非該当の理由は定型文に従ったようなもので、納得のいく理由が得られなかったことから、学者や弁護士で構成される紛争処理委員会に対して後遺障害等級の申請を行うことにしました。

そうしたろこと、こちらの申請が認められ、後遺障害等級12級13号を獲得することができました。

約1000万円を獲得し示談解決

弁護士小杉晴洋のコメント:脳の画像所見の調査は専門性が無いと行うことができません

Oさんのケースは、脳の画像所見を指摘できるかどうかがポイントとなりました。

これは弁護士であれば誰でもできるわけではなく、専門性がないと判断が付かないものとなっています。

頭部を受傷してしまった被害者の方は、被害者側専門の弁護士に相談されることをおすすめします。

この記事の執筆者

小杉 晴洋
小杉 晴洋

被害者側の損害賠償請求分野に特化。
死亡事故(刑事裁判の被害者参加含む。)や後遺障害等級の獲得を得意とする。
交通事故・学校事故・労災などの損害賠償請求解決件数1000件超。

経歴
小杉法律事務所代表弁護士。
横浜市出身・福岡市在住。明治大学法学部卒。中央大学法科大学院法務博士修了。

所属
横浜弁護士会(当時。現「神奈川県弁護士会」)に登録後(損害賠償研究会所属)、福岡県弁護士会に登録換え(交通事故委員会所属)。