Other 交通事故過失割合の解決

過失割合は弁護士によって変わります。

交通事故過失割合の解決

交通事故過失割合の解決 1

過失割合を有利にするためのポイント

過失割合は、東京地裁民事交通訴訟研究会編別冊判例タイムズ38号「民事交通訴訟における過失相殺率の認定基準」(全訂5版)を基準として判断されることが多いです。
この別冊判例タイムズには、【1】~【338】の類型の過失割合が規定されていて、このいずれかの類型にあてはめて、当該交通事故の過失割合を判断していきます。
そこで、過失割合を有利にするためには、この別冊判例タイムズの考え方をマスターしておく必要があります。
また、交通事故というのは、事故事故によって千差万別で、338類型のうちのどれにあてはまるか考えるのが難しいものや、どれにもあてはまらないものも存在します。
過失割合を有利にするためには、被害者にとって、最も有利となる類型にあてはめることが大事で、場合によっては敢えてあてはめないことも重要です。
具体的には、被害者にとって有利な類型がない場合には、この別冊判例タイムズの範疇外であることを説明していくことが重要となります。
このページでは、過失割合の示談交渉・裁判実績を、類型別に10例紹介していますが、ここでは、それぞれの解決事例のポイントを見ながら、過失割合を有利にするための手法を紹介していきます。

(1) 刑事裁判に参加して加害者の著しい過失を認定させる

ケース1では、別冊判例タイムズ【41】図に該当することが明らかな事案であったため、こちらに有利となる修正要素を複数認定させ、結果被害者の過失0まで持っていきました。
具体的には、同僚の協力を得て「集団通行」の事実を認定させたことと、現地調査にて「住宅街・商店街等」の事実を認定させたこと、そして、1番大時なのが、刑事裁判に参加して、加害者の脇見運転を認定させたことです。
死亡事故や重度後遺障害の交通事故の場合、加害者が刑事裁判にかけられることがあります。
この刑事裁判に参加して、加害者の運転の悪質性が裏付けを取れると、民事での示談交渉や裁判の過失割合の認定にプラスの効果をもたらします。

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(2) データから加害者側の落ち度を示す

ケース2では、気象庁のデータから、事故当日雨が降っていたことを割り出し、そこから加害者が傘をさしながら自転車走行していた事実を認定させました。
各種データは、過失割合の戦いをする上でヒントとなることが多く、それを示す解決事例ということができます。

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(3) 捜査記録の活用と法理論により被害者の主張が正しいとさせる

ケース3では、実況見分調書の他に信号サイクル表を取り付けました。これにより、事故のあったとされる時刻の信号の色が判明します。
また、一般的な損害賠償請求の根拠条文である民法第709条ではなく、自動車損害賠償保障法3条という法律構成によって裁判を戦いました。これにより、本来お金を請求する側の被害者が立証しなければならない信号の色について、加害者に立証責任が転換されることになります。

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(4) 警察官との連携と裁判例調査により加害者に制裁的認定を受けさせる

ケース4は、保険会社が過失割合における最も重要な証拠であるドライブレコーダーのデータを消去してしまうという暴挙に出たため、事故当初ドライブレコーダーを見ていた警察官との連携を行いました。
また、証拠隠滅行為をした加害者に関する裁判例を調査し、本件でもこの裁判例と同様に、被害者の主張が認められなければならないという点の立論をしました。

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(5) 科学捜査研究所との連携で別冊判例タイムズの基準を大きく変更させる

ケース5では、科学捜査研究所との連携により、加害者の速度が時速100㎞を超えていたことを割り出しました。
その結果、別冊判例タイムズに従うと被害者の過失が8割も取られてしまう事故類型において、大幅な速度超過故に別冊判例タイムズの考え方は素直には妥当しないということができ、過失を4割まで抑えることに成功しました。

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(6) 刑事裁判に参加して加害者のふらつき運転を明らかにして
別冊判例タイムズの基準から更に有利な認定を受ける

ケース6では、刑事裁判に参加して、加害者のふらつき運転を明らかにしました。
その結果、民事裁判では、別冊判例タイムズの基本過失割合よりも被害者に有利な過失割合の認定をうけることができました。

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(7) 捜査記録精査と現地調査で別冊判例タイムズを適用させない

ケース7では、捜査記録上の被害車両と加害車両の位置関係から、加害車両が被害車両の倍の速度で発進したことを立証しました。
また、別冊判例タイムズに従えば、たとえ加害者が泥酔状態で運転していたとしても、被害者の過失は0とならない類型でしたので、現地施設に赴き、現地施設の図面の提供を受け、これを根拠に、そもそも別冊判例タイムズの類型にないタイプの事故であることの立証をしました。
そして、現地で見とおしの良さについて写真を撮って報告書を作成し、加害者が左右確認を怠っていたことの立証をしました。
以上の立証活動が功を奏し、被害者の過失0の判決が獲得できました。

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(8) 警察や検察が集められなかった証拠をこちらで集め、
警察・検察に提供してあげる

ケース8では、被害者の友人の証言を集め、これを検察官に提供し、刑事裁判での証拠に使ってもらいました。
その結果、加害者の悪性格が立証され、被害者に落ち度のないことが刑事で証明され、民事でも被害者の過失は0と認定されました。

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(9) 尋問で加害者の嘘を暴く

ケース9では、加害者による虚偽供述がなされていました。
ウソの話を法廷でどんどん話させた後に、その後、そのウソと矛盾する客観的な証拠や、以前に話していた内容との矛盾を指摘していき、裁判官にも加害者の供述は信用できなということを認めてもらいました。

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(10) 保険会社側鑑定の前提を崩し、全体的に信用できない証拠とする

ケース10では、保険会社側から交通事故鑑定書が提出されました。
交通事故鑑定は、難しい数式などが複数記されていて、素人目ではよくわからず、思わず、そのとおりだと思わせてしまう力があります。しかし、よく見ると、前提に誤りがあることが多いです。難しい数式たちは、その前提事実をもとに記されていますから、前提の事実が覆ると、数式に用いられている数値が正しくなくなり、全体の理屈が破綻します。保険会社側の提出する意見書や鑑定書は疑ってかかるべきです。

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過失割合の示談交渉・裁判実績

過失割合の示談交渉・裁判実績

過失割合の示談交渉や裁判の実績を紹介します。

(1) 歩行者vs四輪車

ケース1 深夜1時、同僚らと車道の端を歩いていたAさんが、後ろから走ってきた車に轢かれて死亡してしまったという事例において、示談交渉でAさんの過失0を認めさせた事例

基本過失割合25%⇒示談交渉によって0%

このケースは、東京地裁民事交通訴訟研究会編別冊判例タイムズ38号「民事交通訴訟における過失相殺率の認定基準」(全訂5版)【41】図に該当し、深夜1時という夜間の時間帯であることから、Aさんの過失は25%とされるのが原則となります。
しかし、Aさんの同僚の協力を得て、同僚らと共に歩いていたことを立証し、集団通行に該当すると認めさせました。集団通行に該当する場合には、過失割合が歩行者に有利に10修正されます。
また、事故現場調査から、住宅街・商店街等に該当すると認めさせました。住宅街・商店街等に該当する場合には、過失割合が歩行者に有利に5修正されます。最も難しかったのは、加害者に「著しい過失」を認めさせることです。
脇見(道路交通法第70条)・著しいハンドル・ブレーキ操作不適切(道路交通法第70条)・飲酒(道路交通法第65条、117条の2第1号)・携帯電話を使用ながらの運転(道路交通法第71条5号の5・第120条1項11号)・居眠り・無免許・過労・病気・薬物の影響(道路交通法第66条)などの事情がある場合には、加害者に不利に過失割合が修正されることになっていますが、当事務所の弁護士としては、加害車に脇見運転があったのではないかと考えました。
そこで、佐賀地方裁判所の刑事裁判に被害者参加をして、加害者が、今回の事故のときに、エアコンの操作をしていて前方を見ていなかったことを明らかにしました。
この事実が刑事裁判の判決で認定されたことにより、刑事裁判の証拠を民事の示談交渉に用いることができ、保険会社の担当者に「著しい過失」のあることを認めさせました。
「著しい過失」に該当する場合には、過失割合が歩行者に有利に10修正されます。
以上のとおり、基本的にはAさんの過失は25%の認定がなされるケースではありましたが、「集団通行-10」「住宅街・商店街等-5」「著しい過失-10」の修正がなされ、結果としてAさんの過失は0ということで示談解決をしました。

(2) 歩行者vs自転車

ケース2 雨の中自転車通行可の歩道を歩いていて、行き先を間違えたと思い、ふと進路を変えたBさんが、後ろから走ってきた自転車にはねられてしまったという事例において、裁判でBさんの過失0と認められた事例

Bさんの進路変更が事故の原因であると裁判で争われる⇒裁判で過失0が認められる

この事故はBさんがふと進路を変えていなければ起きていなかった事故ということができます。
また、本来自転車は歩道を通行できませんが、このケースの事故現場は自転車通行が許される歩道に指定されていました。
それらの点もあって、保険会社側の弁護士は、Bさんの過失を主張してきました。
しかし、歩行者が歩道で進路を変えること自体は、何ら悪いことではありません。
この点をBさんの過失として捉えるのは、誤りです。
また、当時の天候を気象庁のデータで調査したところ雨とされていましたので、裁判の経過の中で加害者が傘をさして自転車に乗っていたことが判明しました。
傘をさして片手運転をすることは道路交通法第70条で禁止されていますので、この点を指摘しました。
そうしたところ、福岡地方裁判所の裁判官もBさんの過失はないという判断をしてくれて、無事に過失0で解決をすることができました。

(3) 四輪車vs四輪車

ケース3 四輪車同士の出会い頭の事故で、お互いが「こちらが青信号であった」と主張しあったケースにおいて、裁判でこちらが青信号であったことが認められた例

加害者側が青信号であったとして過失0を主張
⇒裁判で被害者側が青信号であったと認められ加害者の過失100%認定

信号機のある交差点における出会い頭事故の場合の過失割合は、青信号の方が0、赤信号の方が100とされています(東京地裁民事交通訴訟研究会編別冊判例タイムズ38号「民事交通訴訟における過失相殺率の認定基準」(全訂5版)【98】図)。
ところが、このケースでは、双方が「こちらが青信号だ」と主張していました。
こうなると示談での解決は困難ですので、横浜地方裁判所に提訴をしました。
警察による捜査記録(実況見分調書や信号サイクル表)などをもとに、事故現場の状況、被害者が事故現場を日頃走行しているか否か、当日の被害者の動き、事故時の位置関係などの状況を丁寧に分析し、こちら側が青信号であったという主張立証を行いました。
また、交通事故で損害を被った場合、民法第709条の不法行為に基づく損害賠償請求をすることができるのですが、本来は、お金の支払いを求める被害者の側が、こちらが青信号であったことを証明しなければいけません。
ただ、自動車損害賠償保障法第3条を根拠として損害賠償請求をする場合は、加害者の側が、自身が青信号であったことを証明しなければならなくなります。
そこで、この裁判では、民法第709条ではなく、自動車損害賠償保障法第3条を根拠として裁判をしました。
こちらが青であったという主張立証に加えて、この自動車損害賠償保障法第3条の法的構成をとったこともあり、裁判官は、こちら側が青であったという認定をしてくれ、解決となりました。

(4) バイクvs四輪車

ケース4 保険会社がドライブレコーダーのデータ消去後にこちら側が青信号であったという主張をしてきたケースにおいて、裁判で被害者側の信号が青であったと認められた例

保険会社がドライブレコーダーのデータを消した後にこちらが青信号であったと主張
⇒裁判で被害者側が青信号であったと認められた

ドライブレコーダーには、被害者側の信号が青であったことが表示されていましたが、このデータを保険会社が消してしまいます。
それを良いことに、保険会社は、こちら側の信号が青であったと言い出しました。
被害者側としては当然納得できず、福岡地方裁判所小倉支部に訴訟を提起します。
信号サイクル表を取り付けると、事故があったとされた時刻は、こちら側が青信号であったことが記されていました。
また、事故当初、ドライブレコーダーを見たという警察官ともコンタクトをとるなどして、裁判の経過を有利に進めました。
加えて、このケースと同様、加害者側による証拠隠しがなされた裁判例(神戸地方裁判所平成10年3月19日交通事故民事裁判例集第31巻2号377頁)を提出し、証拠消滅の不利益は加害者側が負うべきという立論での主張も行いました。
これらの結果、裁判官は被害者側が青信号であったことを認めてくれ、解決となりました。

(5) バイクvsバイク

ケース5 亡くなった被害者の過失が8割とされていたケースにおいて、裁判で過失を半減させた例

基本過失割合被害者80:加害者20⇒裁判で被害者40:加害者60の判決を獲得

直進車と対向右折車の事故の場合、直進車が優先とされますので、東京地裁民事交通訴訟研究会編別冊判例タイムズ38号「民事交通訴訟における過失相殺率の認定基準」(全訂5版)では基本過失割合が直進車20:対向右折車80とされています(【114】図参照)。
しかし、お亡くなりになられたCさんの父親は、Cがそんな無謀な運転をするはずがないとして、弁護士を探しましたが、保険会社の見解のとおりという回答がほとんどで、裁判で戦うことができませんでした。
そうした中、当事務所の弁護士と出会い、共に戦うことにしました。
現地に調査にいったところ、非常に見とおしの良い道路で、Cさんは普通に運転をしていれば、直進車の存在に気づくはずという道路状況でした。
刑事記録を取り寄せると、不自然なくらいCさんは遠くまで跳ね飛ばされていることが分かります。
ここで、加害者のバイクが、かなりの速度超過をしていたのではないかという仮説が生まれます。
そこで、科学捜査研究所と連絡を取り、速度解析の書面の提出を受けたところ、加害者のバイクは時速100㎞~115㎞の速度で走行していたことが判明しました。
一般道において時速100㎞~115㎞で走行した場合、遠くにいると思っても、あっという間にこちらまで到達しますので、加害者の速度超過が著しかったがゆえに、今回の事故が起きたことが分かりました。
この事故はバイク同士の事故で、また、時間帯も夜間であったことから、なおのことCさんは加害者のバイクと衝突しないであろうと目測を誤ったのだと思われます。
加害者側からも時速60㎞程度しか出ていないなどとする鑑定書が提出されましたが、その鑑定書の誤りについて、科学捜査研究所に指摘をしてもらい、結果、裁判で勝訴することができました。
この横浜地方裁判所の判決は、画期的な判決であるとして、自保ジャーナルという判例誌にも掲載されています。

(6) 高速道路事故

ケース6 被害者の過失が40%と主張されていたケースにおいて、裁判により過失25%の認定がなされた例

高速道路の車線変更のケースにおいて、基本過失割合よりも被害者に有利な過失割合が認定された

高速道路における車線変更の際の事故は、東京地裁民事交通訴訟研究会編別冊判例タイムズ38号「民事交通訴訟における過失相殺率の認定基準」(全訂5版)【315】図において直進車30:車線変更車70とされています。
このケースでは、被害者のDさんが、走行車線から追越車線の車を追い越そうとしたため、加害者側の弁護士からは過失割合直進車40:車線変更車60を主張されていました。
しかし、Dさんが走行車線から追い越しをかけたのには理由があり、加害車両がふらつきながら運転をしていたため、このまま近くを走行していたのでは危ないと感じて、加害車両から遠ざかるために走行車線から加害車両の追い越しをかけました。
そうしたところ、加害車両が追越車線から走行車線に車線変更してきたために起きたという事故です。
Dさんの運転する車の同乗者のEさんは、この高速道路上の交通事故でお亡くなりになってしまいます。
そこで、真実の事故態様を解明するべく、Dさんらは加害者の刑事裁判に被害者参加します。
福岡地方裁判所小倉支部で行われた刑事裁判では、Dさんが懸命に、加害者の蛇行運転の事実を主張し、その主張の一部が刑事裁判においても認めてもらえました。
その後に行われた福岡地方裁判所での民事裁判において、刑事裁判の際の証拠を提出して、Dさんの側に過失が4割もないことを主張していったところ、民事の裁判官もこれを認めてくれて、被害者25:加害者75という基本過失割合よりも更に被害者側に有利な過失割合を認定してくれて、解決となりました。

(7) 駐車場事故

ケース7 駐車場内を走行していたところ駐車区画から出てきた車に衝突されたケースにおいて、過失0の判決を獲得した例

駐車場内の事故で過失割合50:50を主張されていた⇒判決でこちらの過失0を認定

被害者のFさんは、駐車場内を車で通行して帰ろうとしていたところ、駐車区画から突然発進してきた車に側面衝突されてしまいます。
東京地裁民事交通訴訟研究会編別冊判例タイムズ38号「民事交通訴訟における過失相殺率の認定基準」(全訂5版)では、駐車場通路を進行する車と駐車区画から出てきた車の交通事故の基本過失割合は30:70とされています(【335】図)。
しかし、Fさんとしては、側面後部にいきなり衝突されたため、回避しようがなく、自身に過失を取られるのは納得できないと話していました。
そこで、福岡地方裁判所小倉支部に過失0を求めて裁判をしました。
保険会社側の弁護士からは、駐車場内の事故であるので、過失割合は50:50であるとの主張がなされました。
譲歩したとしても、東京地裁民事交通訴訟研究会編別冊判例タイムズ38号「民事交通訴訟における過失相殺率の認定基準」(全訂5版)の30:70までであるとの主張もされていました。
こちらとしては、30:70でも納得がいかないので裁判を継続します。
過失0に向けて、まず行ったのは、捜査記録の精査です。保険会社側は、Fさんが駐車場内で速度を出して走行していた旨主張していましたが、捜査記録の分析から、Fさんは徐行に近い速度で走行していて、他方で、加害者はFさんの倍の速さで駐車区画から飛び出してきたことが判明しました。
また、東京地裁民事交通訴訟研究会編別冊判例タイムズ38号「民事交通訴訟における過失相殺率の認定基準」(全訂5版)の基準だと、加害者が酒酔い運転をしていたとしても、過失割合は0:100にならないので、この判例タイムズの範疇外であることの説明をしなければいけません。そこで、駐車場の現地に向かい、駐車場管理者から、駐車場の図面の提供を受けました。判例タイムズの駐車場の過失割合の規定は大規模商業施設の駐車場であることが前提となっていますので、提供を受けた駐車場の図面から、判例タイムズが想定する駐車場には該当しない旨の立証を行いました。
また、その足で現地の調査を行い、加害者からの視認状況とFさんからの視認状況の確認を行いました。加害者は、自分は左右の確認を行った上で発進したと主張していましたが、加害者が左右の確認を行っていたとしたら、Fさんの車がどの地点にいた場合に視界に入ることになるかを写真に撮りながら調査をしました。その結果、加害者が左右確認を行っていたとしたら発進する前にFさんの車が視界に入っていたはずで、加害者は左右確認をせずに車を発進させたことが判明しました。
以上の立証から、判決ではFさんはいきなり発進してきた車に側面後部を衝突され、回避しようがなかったとして、Fさんの過失はなかったとの認定がなされ、解決しました。

(8) バイク二人乗り事故

ケース8 バイク二人乗りでの自損事故で、加害者から被害者に頼まれて乗せてあげたのであって、被害者にも過失が認められるはずだと主張されていたケースで、判決で被害者の過失0が認定された例

いわゆる無償同乗(好意同乗)のケース⇒友人の供述などを集め被害者の過失0の判決獲得

Gさんは友人のHの運転するバイクに乗っていたところ、Hが暴走運転をして転倒し、後ろに乗っていたGさんはお亡くなりになってしまいます。
保険会社側の弁護士は、Hは、Gさんが頼んでバイクに乗せてあげたのであって、Gにも一定程度の過失が認められると主張しました。
ご遺族はこれに憤り、弁護士に依頼して戦うことになりました。
まず、静岡地方裁判所の刑事裁判にご遺族とともに参加し、Hの運転の悪質さを検事とともに立証しました。
我々とご遺族は、検事とは別ルートで、Gさんの友人の供述を集め、これを検事に提出して、検事から刑事裁判に証拠として出してもらうなどの活動を行いました。
その結果、Hが日頃から、友人を自分のバイクに乗せては、猛スピードを出すなどして、友人を怖がらせていたことが刑事裁判でも認定されます。
この刑事裁判の結果をもとに、東京地方裁判所民事27部(合議体)の民事裁判でも同様の認定がなされ、GさんがHに頼んでバイクに乗せてもらったのではなく、HがGさんを誘ってバイクに乗せ、暴走運転をしたことが認められました。
当然の結果ですが、Gさんの過失は0で解決しました。

(9) 非接触事故

ケース9 変形交差点において、対向車が進行してきたことに驚いて転倒してしまったバイクに対し、加害者から自損事故であると主張されていたケースにおいて、加害者の過失が6割認められた例

勝手に転倒した自損事故であると主張されていた
⇒対向を進行してきた加害者の過失6割という判決獲得

Iさんは、通勤ルートをバイクで走行していましたが、変形交差点に差し掛かった際、対向から車がきたため、このまま進んでは衝突すると考え、転倒をして衝突を回避しました。
これに対して、対向から進行してきた車の運転手は、自分は停止してIさんが通過するのを待ってあげようとしていたのに、Iさんが勝手に転倒したと主張し、過失を全面的に争ってきました。
そこで、横浜地方裁判所に訴え提起をして、加害者の過失を認めさせるための裁判を開始しました。
捜査記録の精査の結果や非接触事故における過失相殺の考え方などを主張展開していきましたが、加害者側の弁護士は、一向に加害者の過失を認めません。
そこで、当事者双方の尋問を行い、どちらの言い分が正しいのか、法廷の場で明らかにしようということになりました。
加害者は停止していたところIさんが勝手に転倒したという虚偽の供述をしていました。
虚偽供述をする者というのは、ほとんどの場合、ボロが出るものです。
案の定、法廷では、嘘を上塗りするためのさらなる嘘が次々と出てきて、その結果、客観的な証拠と矛盾する供述が登場したり、自身が以前に述べていた話とも矛盾する話が出てくるなど、加害者の供述はどんどん整合性がとれなくなっていきました。
その結果、加害者の供述は信用できないと判断され、勝訴の判決を得ることができました。
加害者は懲りずに控訴をしてきましたが、東京高等裁判所でも、Iさんの言い分が認められ、勝訴なりました。
この判決は、画期的な判決であるとして、公益財団法人日弁連交通事故相談センター編「交通事故損害額算定基準」や自保ジャーナルに掲載されています。

(10) シートベルト不装着

ケース10 被害者がシートベルトを装着していなかったことの過失を主張されていたケースにおいて、判決で被害者の過失は0とされた例

シートベルト不装着の過失を主張されていた⇒過失0の判決獲得

Jさんは、シートベルトを締めずに後部座席に乗っていたところ、出会い頭事故に遭い、頭部を損傷してしまいます。
加害者は、Jさんがシートベルトをしていれば、頭部を損傷することはなかったとして、Jさんの過失を主張してきたため、福岡地方裁判所において裁判となりました。
こちら側は、鑑定人とともに事故現場の検証を行い、衝突後の車の転倒状況などを分析しました。
そして、その鑑定結果を元に、シートベルトをしていたとしても、Jさんは頭部を損傷していたことを立証していきました。
また、保険会社側からも鑑定資料が出されましたが、難しい数式などが諸々書かれているものの、前提の事実が誤っているなどしたため、その誤りを逐一指摘しました。
そうしたところ、こちら側の主張が認められ、Jさんの過失は0ということで、判決により解決がなされました。

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交通事故過失割合とは

交通事故過失割合

民法では「被害者に過失があったときは、裁判所は、これを考慮して、損害賠償の額を定めることができる。」と規定されています(民法第722条2項)。
これを「過失相殺」といい、過失相殺によって定められた被害者及び加害者の過失の割合を「過失割合」といいます。
過失割合は、原則として、東京地裁民事交通訴訟研究会編別冊判例タイムズ38号「民事交通訴訟における過失相殺率の認定基準」(全訂5版)という文献をもとに判断されます。
この判例タイムズは、大きく分けると7つの類型に分かれています。

(1) 歩行者vs四輪車・バイク

歩行者vs四輪車・バイク

前掲の判例タイムズでは、歩行者が被害者となる場合のみが定められています。
従いまして、歩行者が急に飛び出したため車と衝突して交通事故になったというケースで、車の窓ガラスが割れてしまったとしても、車の所有者を被害者とする物損の請求をする際の過失割合の認定には前掲の判例タイムズの基準は用いられないというのが建前となります。
ただし、実際の実務では、この判例タイムズの考え方を無視して、前掲判例タイムズの基準にしたがって、歩行者の損害賠償請求のみならず、車の物損の損害賠償請求の際の過失割合も定められる傾向にあります。
歩行者は、道路を徒歩で通行する人のことをいいますが、被害者となる歩行者には、小走りをしている人、ジョギングをしている人、路上で工事をしている人、遊んでいる人、立っている人、寝ている人、時速10㎞以下の低速度で走行している自転車も含まれるとされています。また、バイクや自転車を押して歩いている人も、歩行者として扱われます(道路交通法第2条3項1号,2号)。
また、時速30㎞以上の高速度で走行する自転車は、四輪車・バイクと同じように扱われます。
歩行者vs四輪車・バイクの事故は、大きく分けると4つの類型に分けて考えられています。

横断歩行者の事故 >>

対向又は同一方向進行歩行者の事故 >>

路上に寝ている人などの事故 >>

バックする車との事故 >>

横断歩行者の事故

横断歩行者が、横断歩道上を歩行していた場合に事故に遭ったというケースでは、原則として歩行者に過失は認められません。
ただし、歩行者側の信号が赤信号であったり黄信号(歩行者青信号の点滅を含む。)であった場合には、歩行者に過失が認められてしまうことがあります。
また、横断歩道のない場所を横断しようとした歩行者が事故に遭ったというケースも、歩行者に過失が認められてしまうことがあります。
横断歩行者の事故の過失割合は、横断歩道の有無や渡ろうとした道路場所と近くの横断歩道との距離、信号の有無や横断開始時の信号の表示、横断中の信号の変化、横断途中の安全地帯の有無、道路幅、歩道や十分な幅員のある路側帯の有無、歩道内の事故か車道内の事故か、歩行者が右側通行をしていたか左側通行をしていたか、歩行者の年齢、歩行者の身体障害の有無、横断禁止規制の有無、交通事故の時間帯、急な飛びたし・後退・ふらふら歩きなどの歩行者の歩行態様、交通事故現場の人通りの多さ、歩行者が集団であったか否か、脇見(道路交通法第70条)・著しいハンドル・ブレーキ操作不適切(道路交通法第70条)・飲酒(道路交通法第65条、117条の2第1号)・速度制限違反・携帯電話を使用ながらの運転(道路交通法第71条5号の5・第120条1項11号)・居眠り・無免許・過労・病気・薬物の影響(道路交通法第66条)などといった車の運転手の態様など種々の要素の総合で判断されます。
すべての要素を丁寧に分析し、横断歩行者の過失を0にする努力が大事です。

対向又は同一方向進行歩行者の事故

道路横断の際の事故とは異なり、歩行者が歩いている向かいから進行してきた車と衝突した場合や、歩行者が歩いている後ろから進行してきた車と衝突した場合は、別に類型が設けられています。
これは交通事故が起きた地点が、歩行者用道路であったか、歩道上であったか、歩車道の区別のある道路の車道上であったか、歩車道の区別のない道路の車道上であったかによって分類されています。
歩行者用道路における交通事故の場合は、歩行者用道路の通行を許可されている車が徐行運転によって走行している前に急に飛び出したような場合でない限り、歩行者に過失が認められることはありません。
また、歩道上の事故は、歩行者に過失が認められるというのは、基本的には考えられません。
車道上の事故の場合は、歩道がなく、かつ、歩行者が道路交通法第10条1項に従って右側通行をしていたという場合には、歩行者に過失が認められるというのは、基本的にはありません。
歩道があるのに車道を通行していた、歩道はないが道路の左側を通行していた、道路の端ではなく真ん中付近を通行していたなどといった場合には、歩行者にも過失が取られることがあります。
ただし、歩行者の年齢、歩行者の身体障害の有無、交通事故現場の人通りの多さ、歩行者が集団であったか否か、脇見(道路交通法第70条)・著しいハンドル操作不適切(道路交通法第70条)・飲酒(道路交通法第65条、117条の2第1号)・速度制限違反・携帯電話を使用ながらの運転(道路交通法第71条5号の5・第120条1項11号)・居眠り・無免許・過労・病気・薬物の影響(道路交通法第66条)などといった車の運転手の態様などの事情によっては、原則的には歩行者に過失が認められる場合であっても、歩行者の過失が0とされることもありますので、すべての要素を丁寧に分析し、横断歩行者の過失を0にする努力が大事です

深夜1時に歩車道の区別のある道路の車道を歩行していた被害者について過失0とされた解決事例 >>

路上に寝ている人などの事故

路上に寝ている人、路上で四つん這いになっている人、路上に座り込んでいる人などが交通事故に遭った場合、基本的には過失0と判断されることはなく、一定程度の過失は認められてしまいます。
前掲判例タイムズでは、最も歩行者の側に過失がとられる例として、夜間、明るいとはいえない幹線道路上に寝ていた人がはねられたというケースを挙げていて、寝ていた人の過失は60~70%と定められています。
前掲判例タイムズ上は、このケースが、最も悪質な歩行者のケースとされていますので、これ以上に歩行者に過失が取られるということはありません。
寝ていた位置、歩行者の年齢、歩行者の身体障害の有無、交通事故現場の人通りの多さ、照明などによる交通事故現場の明るさ、脇見(道路交通法第70条)・著しいハンドル・ブレーキ操作不適切(道路交通法第70条)・飲酒(道路交通法第65条、117条の2第1号)・速度制限違反・携帯電話を使用ながらの運転(道路交通法第71条5号の5・第120条1項11号)・居眠り・無免許・過労・病気・薬物の影響(道路交通法第66条)などといった車の運転手の態様などの事情によっては、寝ていた人の過失を0に近づけていくことは可能ですので、これらの丁寧な立証が重要になります。

バックする車との事故

道路横断をする歩行者とバックをする車との交通事故の場合は、歩行者の過失は5%が原則であると定められています。
歩車道の区別のある車道上、バックをする車が警告を鳴らしていたような場合、バックをしている車の後ろに急に飛びだした場合などは、歩行者の過失が更に加算されることになります。
他方で、交通事故現場の人通りの多さなどによって歩行者の過失が0になるケースも少なくありません。

(2) 歩行者vs自転車

歩行者vs自転車の過失割合については、自転車事故のページをご覧ください。

(3) 四輪車vs四輪車

四輪車vs四輪車

四輪車vs四輪車の事故は、大きく分けると8つの類型に分けて考えられています。

交差点における直進車同士の出会い頭事故

交差点における直進車同士の出会い頭事故は、信号機のある交差点と、信号機のない交差点とで大きく分かれています。
なお、黄点滅信号や赤点滅信号が表示されているだけの交差点(道路交通法36条)や、歩行者が押しボタンを押す場合以外は常時青信号となっている交差点は、四輪車vs四輪車の過失割合を考えるにあたっては、信号機のない交差点と扱われます。前者については、一時停止規制のある道路と同規制のない道路が交差する交差点と同様に扱われ、後者については、歩行者用信号を押したために青表示となった車vs常時青信号の道路を走行していたが歩行者信号が押されたために赤信号となった車の過失割合は基本的に30:70になるとされています。

信号機のある交差点における出会い頭事故

信号機のある交差点における出会い頭事故では、交差点進入直前の信号の色によって、過失割合が変わってきます。

青信号で交差点に進入した車vs赤信号で交差点に進入した車 0:100

黄信号で交差点に進入した車vs赤信号で交差点に進入した車 20:80

赤信号直前の黄色信号で交差点に進入した車vs赤信号で交差点に進入した車 30:70

黄色信号で交差点に進入したが車vs赤信号で交差点に進入したが衝突時は青信号だった車 40:60

赤信号直前の黄色信号で交差点に進入した車vs赤信号で交差点に進入したが衝突時は青信号だった車 50:50

赤信号で交差点に進入した車vs赤信号で交差点に進入した車 50:50

赤信号で交差点に進入した車vs同じく赤信号で交差点に進入したが明らかに後から進入した車 40:60

以上の過失割合を原則として、脇見(道路交通法第70条)・著しいハンドル・ブレーキ操作不適切(道路交通法第70条)・飲酒(道路交通法第65条、117条の2第1号)・速度制限違反・携帯電話を使用ながらの運転(道路交通法第71条5号の5・第120条1項11号)・居眠り・無免許・過労・病気・薬物の影響(道路交通法第66条)などの事情がある運転者の側に5~10の不利な修正をかけていきます。

交差点における出会い頭事故で、お互いが「こっちが青だった」と主張していたケースにおける解決事例 >>

信号機のない交差点における出会い頭事故

信号機のない交差点は、①同じ幅程度の道路が交差する交差点②一方通行規制のある道路と同規制のない道路が交差する交差点③明らかに広い道路と狭い道路が交差する交差点④一時停止規制のある道路と同規制のない道路が交差する交差点⑤優先道路と非優先道路が交差する交差点に分類されます。

  1. ①同じ幅程度の道路が交差する交差点における出会い頭事故

    左方車と右方車が同程度の速度 40:60

    減速しない左方車vs減速した右方車 60:40

    減速した左方車vs減速しない右方車 20:80

  2. ②一方通行規制のある道路と同規制のない道路が交差する交差点における出会い頭事故

    一方通行違反車vs他方の車 80:20

  3. ③明らかに広い道路と狭い道路が交差する交差点における出会い頭事故

    明らかに広い道路を走行する車と狭い道路を走行する車が同程度の速度 30:70

    減速しないで明らかに広い道路を走行する車vs減速して狭い道路を走行する車 40:60

    減速して明らかに広い道路を走行する車vs減速しないで狭い道路を走行する車 20:80

  4. ④一時停止規制のある道路と同規制のない道路が交差する交差点における出会い頭事故

    一時停止規制のある道路を走行する車と他方の車が同程度の速度 80:20

    減速して一時停止規制のある道路を走行する車vs減速しないで走行する他方の車 70:30

    減速しないで一時停止規制のある道路を走行する車vs減速して走行する他方の車 90:10

    一時停止規制に従い一時停止した後に交差点に進入した車vs他方の車 60:40

    なお、赤信号点滅と黄信号点滅がある交差点における交通事故の場合は、赤信号点滅のある方の車を一時停止規制のある道路を走行する車と考えて、上記と同じく過失割合を判断します。
    また、優先道路ではあるが、双方の道路の幅が同じであるなど、優先性が明らかとは言えない場合には、下記⑤ではなく、上記のように過失割合が判断されることがあります。

  5. ⑤優先道路と非優先道路が交差する交差点における出会い頭事故

    優先道路を走行する車vs非優先道路を走行する車 10:90

    優先道路か否かは、交差点内まで伸びるセンターラインがあるか否かによって判断されることが多いですが、これが無い場合であっても、一方の道路が片側2車線以上の道路で、他方の道路が路地などの狭い道路である場合には、③明らかに広い道路と狭い道路が交差する交差点や④一時停止規制のある道路と同規制のない道路が交差する交差点の基準ではなく、上記のように過失割合が判断されることがあります。

    以上の①~⑤の過失割合を原則として、夜間といえるか、見とおしがきく交差点といえるかといった事情や、脇見(道路交通法第70条)・著しいハンドル・ブレーキ操作不適切(道路交通法第70条)・飲酒(道路交通法第65条、117条の2第1号)・速度制限違反・携帯電話を使用ながらの運転(道路交通法第71条5号の5・第120条1項11号)・居眠り・無免許・過労・病気・薬物の影響(道路交通法第66条)などの運転者の事情によって過失割合に修正をかけていきます。

交差点における右折車と直進車との事故

交差点における右折車と直進車との交通事故は、大きく分けて、直進車と対向右折車の場合の事故と、左又は右から進入した場合の事故に分かれます。
なお、類型ごとに基本過失割合が定められていますが、右折車が既に右折を完了しているところに衝突した場合、前方が混雑しているため進行すると交差点内で停まることになってしまうのに交差点内に進入した場合、右折車としての徐行義務違反、直進車の至近距離で右折をした場合、交差点の中心から離れて右折をした場合、大回りで右折をした場合、右折の合図をしなかった場合などは基本過失割合から修正されることがあります。この他、脇見(道路交通法第70条)・著しいハンドル・ブレーキ操作不適切(道路交通法第70条)・飲酒(道路交通法第65条、117条の2第1号)・速度制限違反・携帯電話を使用ながらの運転(道路交通法第71条5号の5・第120条1項11号)・居眠り・無免許・過労・病気・薬物の影響(道路交通法第66条)などをした運転者の過失割合は不利に修正されます。

直進車と対向右折車の場合の事故

交差点に信号機がある場合も、ない場合も、基本的には、直進車20:対向右折車80の過失割合となることが多いです。
ただし、両者ともに黄信号で交差点内に進入した場合には直進車40:対向右折車60、両者ともに赤信号で交差点内に進入した場合には直進車50:対向右折車50とされています。
また、右折車は青信号で交差点内に進入したものの、右折したときには信号の色が変わっていたという場合は、過失割合が異なってきます。

①右折したときには黄信号となっていた場合 直進車vs対向右折車 70:30

②右折したときには赤信号となっていた場合 直進車vs対向右折車 90:10

また、右折の青矢印信号に従って右折をしたが、赤信号で交差点に進入してきた直進車と衝突したという場合は、直進車100:対向右折車0となります。

左又は右から進入した場合の事故

信号機のある交差点の場合は、こちらをご覧ください。
信号機のない交差点は、①同じ幅程度の道路が交差する交差点、②明らかに広い道路と狭い道路が交差する交差点、③一時停止規制のある道路と同規制のない道路が交差する交差点、④優先道路と非優先道路が交差する交差点に分類されます。

  1. ①同じ幅程度の道路が交差する交差点

    右折車が左方車である場合 右方直進車vs左方右折車 40:60

    右折車が右方車である場合 左方直進車vs右方右折車 30:70

  2. ②明らかに広い道路と狭い道路が交差する交差点

    右折車が狭路から広路に出る場合 広路直進車vs狭路右折車 20:80

    右折車が広路から直進車の進行してきた狭路に入る場合 狭路直進車vs広路右折車 40:60

    広路の右折車と狭路の直進車が同じ狭路に向かって進行する場合 狭路直進車vs広路右折車 50:50

  3. ③一時停止規制のある道路と同規制のない道路が交差する交差点

    右折車が一時停止規制に違反して右折したところ直進車と衝突した場合 直進車vs右折車 15:85

    右折車が一時停止規制に従って一時停止した後に右折したところ直進車と衝突した場合直進車vs右折車 30:70

    直進車が一時停止規制に違反して直進したところ左方の右折車と衝突した場合 直進車vs右折車 70:30

    直進車が一時停止規制に従って一時停止した後に直進したところ左方の右折車と衝突した場合 直進車vs右折車 55:45

    直進車が一時停止規制に違反して直進したところ右方の右折車と衝突した場合 直進車vs右折車 60:40

    直進車が一時停止規制に従って一時停止した後に直進したところ右方の右折車と衝突した場合 直進車vs右折車 45:55

  4. ④優先道路と非優先道路が交差する交差点

    右折車が非優先道路から優先道路に出る場合 優先直進車vs非優先右折車 10:90

    右折車が優先道路から直進車の進行してきた非優先道路に入る場合 非優先直進車vs優先右折車 80:20

    優先道路の右折車と非優先道路の直進車が同じ非優先道路に向かって進行する場合 非優先直進車vs優先右折車 70:30

その他の交差点での事故

その他の交差点での事故としては、①左折車と直進車の事故、②右折車同士の事故、③左折車と対向右折車の事故、④後続の追越車との事故、⑤丁字路交差点における事故などの類型があり、他にも⑦Y字路等の三叉路における事故、⑧五叉路における事故、⑨ロータリーがある場合など様々なパターンがあり、これらのパターンの中で更に、a同じ幅程度の道路が交差する交差点、b明らかに広い道路と狭い道路が交差する交差点、c一時停止規制のある道路と同規制のない道路が交差する交差点、d優先道路と非優先道路が交差する交差点などの交差点ごとの類型によって種類が増えていきます。
ある程度の類型化はされていますが、道路状況は様々ですので、事案に応じて、道路交通法の基本的な考え方からの考察や、類似の道路状況の裁判例からの考察などから過失割合を判断していきます。

道路外出入車と直進車との事故

道路外から道路に進入するために右折した際の事故 直進車vs右折車 20:80

道路外から道路に進入するために左折した際の事故 直進車vs左折車 20:80

道路外に出るために右折した際の事故 直進車vs右折車 10:90

以上を基本過失割合として、路外から頭を出して待機していたところに直進車が衝突したかどうか、既に右折が完了しかかっているところに直進車が衝突したかどうか、直進車がゼブラゾーンを進行していたかどうか、道路が片側2車線以上の幹線道路であったかどうか、右折車が徐行していたかどうか、右折車の合図の有無などによって修正がなされ、また、脇見(道路交通法第70条)・著しいハンドル・ブレーキ操作不適切(道路交通法第70条)・飲酒(道路交通法第65条、117条の2第1号)・速度制限違反・携帯電話を使用ながらの運転(道路交通法第71条5号の5・第120条1項11号)・居眠り・無免許・過労・病気・薬物の影響(道路交通法第66条)などをした運転者の過失割合は不利に修正されます。

センターオーバー事故

センターオーバー事故の場合は、センターオーバー車の一方的な過失によるものと判断されるのが原則です。
ただし、対向の直進車に、脇見(道路交通法第70条)・著しいハンドル・ブレーキ操作不適切(道路交通法第70条)・飲酒(道路交通法第65条、117条の2第1号)・速度制限違反・携帯電話を使用ながらの運転(道路交通法第71条5号の5・第120条1項11号)・居眠り・無免許・過労・病気・薬物の影響(道路交通法第66条)などの事情がある場合には、直進車に10%~20%程度の過失が認められることがあります。
また、センターラインのない狭い道路においては、対向の直進車にこうした事情がない場合であっても、直進車に過失が認められてしまうことがあります。
その他、①一方通行道路、②道路左側部分の幅員が車両の通行のため十分でないとき、③道路の損壊・工事等の障害のため道路左側部分の通行ができないとき、④左側部分の幅員が6m未満の道路において他車を追い越す時とき、⑤勾配の急な道路の曲がりかど付近について道路標識等により通行方法が指定されているときなどは、センターオーバーをしてもよいことになっていますので、これらの場合には、センターオーバー車の一方的な過失によるものと判断されず、双方の速度や道路状況等の具体的事情に基づいて過失割合を決めていくことになります。

同一方向に進行する車同士の事故

同一方向に進行する車同士の事故としては、①追い越しをする車との事故②車線変更をする車との事故③追突事故が挙げられます。

追い越しをする車との事故

追い越し禁止場所の場合 追越車vs被追越車 90:10

追い越し禁止場所ではないが追い越し危険場所の場合 追越車vs被追越車 85:15

追い越し禁止場所でも追い越し危険場所でもない場合 追越車vs被追越車 80:20

なお、追い越し危険場所というのは、凹凸の多い道路、降雨等によってスリップしやすい道路、見とおしがきかない道路、狭い道路、歩行者通行の多い道路、対向車等の通行頻繁な道路を指します。
以上を基本過失割合として、追い越される車が追い越されることを認識しながら速度を落とすことをしなかった場合は追越車に有利に10%修正し、それどころか加速させたという場合は追越車に有利に20修正することになります。その他、脇見(道路交通法第70条)・著しいハンドル・ブレーキ操作不適切(道路交通法第70条)・飲酒(道路交通法第65条、117条の2第1号)・速度制限違反・携帯電話を使用ながらの運転(道路交通法第71条5号の5・第120条1項11号)・居眠り・無免許・過労・病気・薬物の影響(道路交通法第66条)などをした運転者の過失割合は10%~20%不利に修正されます。

車線変更をする車との事故

車線変更をする車と後続直進車との事故の場合は、基本過失割合70:30とされています。
ただし、進路変更禁止場所における車線変更、車線変更をする車が進路変更の合図をしなかった場合、後続直進車が初心者マーク(道路交通法第71条の5)・シルバーマーク(道路交通法第71条の5)・身体障害者標識(道路交通法第71条の6)を付けていた場合や仮免許運転中の場合(道路交通法第87条3項)には、車線変更をする車の過失割合が不利に修正されることになります。その他、脇見(道路交通法第70条)・著しいハンドル・ブレーキ操作不適切(道路交通法第70条)・飲酒(道路交通法第65条、117条の2第1号)・速度制限違反・携帯電話を使用ながらの運転(道路交通法第71条5号の5・第120条1項11号)・居眠り・無免許・過労・病気・薬物の影響(道路交通法第66条)などをした運転者の過失割合は10%~20%不利に修正されます。

追突事故

追突車の一方的な過失によるものと判断されます。
ただし、先行車が不必要なブレーキを踏んだために追突事故となったようなケースでは、追突された車にも20%程度の過失が認められることがあります。
また、先行車が理由のない急ブレーキを踏んだために追突事故となったようなケースでは、追突された車も30%程度の過失が認められることになります。
なお、駐停車車両に対する追突事故も、原則として追突車の一方的な過失によるものと判断されますが、降雨・濃霧・夜間で街灯がなく視認不良であるとか、駐停車禁止場所であるとか、非常点灯等の不灯火などの事情がある場合には、駐停車車両に過失が認められることになります。

Uターン車と直進車の事故

Uターン中の事故の場合、基本過失割合はUターン車80:直進車20となります。
Uターン終了直後の事故の場合は、基本過失割合Uターン車80:直進車20となります。
これらの基本割合に対して、見とおしがきかない道路、交通が特に頻繁な道路、Uターン車が合図をしていないといった事情がある場合には、Uターン車に不利に修正されることになります。その他、脇見(道路交通法第70条)・著しいハンドル・ブレーキ操作不適切(道路交通法第70条)・飲酒(道路交通法第65条、117条の2第1号)・速度制限違反・携帯電話を使用ながらの運転(道路交通法第71条5号の5・第120条1項11号)・居眠り・無免許・過労・病気・薬物の影響(道路交通法第66条)などをした運転者の過失割合は10%~20%不利に修正されます。

緊急車両との事故

サイレンを鳴らして走行するパトカー・救急車・消防車との衝突事故の場合、こちらが青信号であっても、こちらが優先道路を走行していたとしても、原則として80%の過失相殺がなされてしまいます。

(4) バイクvs四輪車

バイクvs四輪車

バイクvs四輪車の事故は、大きく分けると9つの類型に分けて考えられています。

交差点における直進車両同士の出会い頭事故

交差点における直進車両同士の出会い頭事故は、信号機のある交差点と、信号機のない交差点とで大きく分かれています。
なお、黄点滅信号や赤点滅信号が表示されているだけの交差点(道路交通法36条)や、歩行者が押しボタンを押す場合以外は常時青信号となっている交差点は、バイクvs四輪車の過失割合を考えるにあたっては、信号機のない交差点と扱われます。前者については、一時停止規制のある道路と同規制のない道路が交差する交差点と同様に扱われます。

信号機のある交差点における出会い頭事故

信号機のある交差点における出会い頭事故では、交差点進入直前の信号の色によって、過失割合が変わってきます。

青信号で交差点に進入したバイクvs赤信号で交差点に進入した車 0:100

青信号で交差点に進入した車vs赤信号で交差点に進入したバイク 100:0

黄信号で交差点に進入したバイクvs赤信号で交差点に進入した車 10:90

黄信号で交差点に進入した車vs赤信号で交差点に進入したバイク 30:70

赤信号直前の黄色信号で交差点に進入したバイクvs赤信号で交差点に進入した車 20:80

赤信号直前の黄色信号で交差点に進入した車vs赤信号で交差点に進入したバイク 40:60

赤信号で交差点に進入したバイクvs赤信号で交差点に進入した車 40:60

赤信号で交差点に進入したバイクvs同じく赤信号で交差点に進入したが明らかに後から進入した車 25:75

赤信号で交差点に進入した車vs同じく赤信号で交差点に進入したが明らかに後から進入したバイク 45:55

以上の過失割合を原則として、脇見(道路交通法第70条)・著しいハンドル・ブレーキ操作不適切(道路交通法第70条)・飲酒(道路交通法第65条、117条の2第1号)・速度制限違反・携帯電話を使用ながらの運転(道路交通法第71条5号の5・第120条1項11号)・居眠り・無免許・過労・病気・薬物の影響(道路交通法第66条)などの事情がある運転者の側に不利な修正をかけていきます。

交差点における出会い頭事故で、信号の色に争いがあったケースにおける解決事例 >>

信号機のない交差点における出会い頭事故

信号機のない交差点は、①同じ幅程度の道路が交差する交差点②一方通行規制のある道路と同規制のない道路が交差する交差点③明らかに広い道路と狭い道路が交差する交差点④一時停止規制のある道路と同規制のない道路が交差する交差点⑤優先道路と非優先道路が交差する交差点に分類されます。

  1. ①同じ幅程度の道路が交差する交差点における出会い頭事故

    左方バイクと右方車が同程度の速度 30:70

    減速しない左方バイクvs減速した右方車 45:55

    減速した左方バイクvs減速しない右方車 15:85

    減速した左方バイクvs減速しない右方車 15:85

    減速しない左方車vs減速した右方バイク 65:35

    減速した左方車vs減速しない右方バイク 40:60

  2. ②一方通行規制のある道路と同規制のない道路が交差する交差点における出会い頭事故

    一方通行違反車vs他方のバイク 90:10

    一方通行違反バイクvs他方の車 70:30

  3. ③明らかに広い道路と狭い道路が交差する交差点における出会い頭事故

    明らかに広い道路を走行するバイクと狭い道路を走行する車が同程度の速度 20:80

    減速しないで明らかに広い道路を走行するバイクvs減速して狭い道路を走行する車 30:70

    減速して明らかに広い道路を走行するバイクvs減速しないで狭い道路を走行する車 10:90

    明らかに広い道路を走行する車と狭い道路を走行するバイクが同程度の速度 40:60

    減速しないで明らかに広い道路を走行する車vs減速して狭い道路を走行するバイク 50:50

    減速して明らかに広い道路を走行する車vs減速しないで狭い道路を走行するバイク 25:75

  4. ④一時停止規制のある道路と同規制のない道路が交差する交差点における出会い頭事故

    一時停止規制のある道路を走行する車と他方のバイクが同程度の速度 85:15

    減速して一時停止規制のある道路を走行する車vs減速しないで走行する他方のバイク 75:25

    減速しないで一時停止規制のある道路を走行する車vs減速して走行する他方のバイク 90:10

    一時停止規制に従い一時停止した後に交差点に進入した車vs他方のバイク 65:35

    一時停止規制のある道路を走行するバイクと他方の車が同程度の速度 65:35

    減速して一時停止規制のある道路を走行するバイクvs減速しないで走行する他方の車 55:45

    減速しないで一時停止規制のある道路を走行するバイクvs減速して走行する他方の車 80:20

    一時停止規制に従い一時停止した後に交差点に進入したバイクvs他方の車 45:55

    なお、赤信号点滅と黄信号点滅がある交差点における交通事故の場合は、赤信号点滅のある方の車両を一時停止規制のある道路を走行する車両と考えて、上記と同じく過失割合を判断します。
    また、優先道路ではあるが、双方の道路の幅が同じであるなど、優先性が明らかとは言えない場合には、下記⑤ではなく、上記のように過失割合が判断されることがあります。

  5. ⑤優先道路と非優先道路が交差する交差点における出会い頭事故

    優先道路を走行するバイクvs非優先道路を走行する車 10:90

    優先道路を走行する車vs非優先道路を走行するバイク 30:70

    優先道路か否かは、交差点内まで伸びるセンターラインがあるか否かによって判断されることが多いですが、これが無い場合であっても、一方の道路が片側2車線以上の道路で、他方の道路が路地などの狭い道路である場合には、③明らかに広い道路と狭い道路が交差する交差点や④一時停止規制のある道路と同規制のない道路が交差する交差点の基準ではなく、上記のように過失割合が判断されることがあります。

    以上の①~⑤の過失割合を原則として、脇見(道路交通法第70条)・著しいハンドル・ブレーキ操作不適切(道路交通法第70条)・飲酒(道路交通法第65条、117条の2第1号)・速度制限違反・携帯電話を使用ながらの運転(道路交通法第71条5号の5・第120条1項11号)・居眠り・無免許・過労・病気・薬物の影響(道路交通法第66条)などの運転者の事情によって過失割合に修正をかけていきます。

交差点における右折車両と直進車両との事故

交差点における右折車両と直進車両との交通事故は、大きく分けて、直進車両と対向右折車両の場合の事故と、左又は右から進入した場合の事故に分かれます。
なお、類型ごとに基本過失割合が定められていますが、右折車両が既に右折を完了しているところに衝突した場合、前方が混雑しているため進行すると交差点内で停まることになってしまうのに交差点内に進入した場合、右折車両としての徐行義務違反、直進車両の至近距離で右折をした場合、交差点の中心から離れて右折をした場合、大回りで右折をした場合、右折の合図をしなかった場合などは基本過失割合から修正されることがあります。この他、脇見(道路交通法第70条)・著しいハンドル・ブレーキ操作不適切(道路交通法第70条)・飲酒(道路交通法第65条、117条の2第1号)・速度制限違反・携帯電話を使用ながらの運転(道路交通法第71条5号の5・第120条1項11号)・居眠り・無免許・過労・病気・薬物の影響(道路交通法第66条)などをした運転者の過失割合は不利に修正されます。

直進車両と対向右折車両の場合の事故
  1. (ア)直進バイクと対向右折車の場合

    交差点に信号機がある場合も、ない場合も、基本的には、直進バイク15:対向右折車85の過失割合となることが多いです。
    ただし、両者ともに黄信号で交差点内に進入した場合には直進バイク30:対向右折車70、両者ともに赤信号で交差点内に進入した場合には直進バイク40:対向右折車60とされています。
    また、右折車は青信号で交差点内に進入したものの、右折したときには信号の色が変わっていたという場合は、過失割合が異なってきます。

    1. ①右折したときには黄信号となっていた場合 直進バイクvs対向右折車 60:40
    2. ②右折したときには赤信号となっていた場合 直進バイクvs対向右折車 80:20

    また、右折の青矢印信号に従って右折をしたが、赤信号で交差点に進入してきた直進バイクと衝突したという場合は、直進車100:対向右折車0となります。

  2. (イ)直進車と対向右折バイクの場合

    交差点に信号機がある場合も、ない場合も、基本的には、直進車30:対向右折バイク70の過失割合となることが多いです。
    ただし、両者ともに黄信号で交差点内に進入した場合には直進車50:対向右折バイク50、両者ともに赤信号で交差点内に進入した場合には直進車60:対向右折バイク40とされています。
    また、右折バイクは青信号で交差点内に進入したものの、右折したときには信号の色が変わっていたという場合は、過失割合が異なってきます。

    1. ①右折したときには黄信号となっていた場合 直進車vs対向右折バイク 75:25
    2. ②右折したときには赤信号となっていた場合 直進車vs対向右折バイク 90:10
    3. また、右折の青矢印信号に従って右折をしたが、赤信号で交差点に進入してきた直進車と衝突したという場合は、直進車100:対向右折バイク0となります。
左又は右から進入した場合の事故

信号機のある交差点の場合は、こちらをご覧ください。
信号機のない交差点は、①同じ幅程度の道路が交差する交差点、②明らかに広い道路と狭い道路が交差する交差点、③一時停止規制のある道路と同規制のない道路が交差する交差点、④優先道路と非優先道路が交差する交差点に分類されます。

  1. ①同じ幅程度の道路が交差する交差点

    右折車両が左方車両である場合

    右方直進バイクvs左方右折車 30:70

    右方直進車vs左方右折バイク 50:50

    右折車両が右方車両である場合

    左方直進バイクvs右方右折車 20:80

    左方直進車右方右折バイク 40:60

  2. ②明らかに広い道路と狭い道路が交差する交差点

    右折車両が狭路から広路に出る場合

    広路直進バイクvs狭路右折車 15:85

    広路直進車vs狭路右折バイク 35:65

    右折車両が広路から直進車両の進行してきた狭路に入る場合

    狭路直進車vs広路右折バイク 70:30

    狭路直進バイクvs広路右折車 50:50

    広路の右折車両と狭路の直進車両が同じ狭路に向かって進行する場合

    狭路直進車vs広路右折バイク 60:40

    狭路直進バイクvs広路右折車 40:60

  3. ③一時停止規制のある道路と同規制のない道路が交差する交差点

    右折車両が一時停止規制に違反して右折したところ直進車両と衝突した場合

    直進バイクvs右折車 15:85

    直進車vs右折バイク 35:65

    右折車両が一時停止規制に従って一時停止した後に右折したところ直進車両と衝突した場合

    直進バイクvs右折車 25:75

    直進車vs右折バイク 45:55

    直進車両が一時停止規制に違反して直進したところ左方の右折車両と衝突した場合

    直進バイクvs右折車 55:45

    直進車vs右折バイク 75:25

    直進車両が一時停止規制に従って一時停止した後に直進したところ左方の右折車両と衝突した場合

    直進バイクvs右折車 45:55

    直進車vs右折車 65:35

    直進車両が一時停止規制に違反して直進したところ右方の右折車両と衝突した場合

    直進車vs右折バイク 65:35

    直進バイクvs右折車 45:55

    直進車が一時停止規制に従って一時停止した後に直進したところ右方の右折車と衝突した場合

    直進車vs右折バイク 55:45

    直進バイクvs右折車 35:65

    狭路直進バイクvs広路右折車 40:60

  4. ④優先道路と非優先道路が交差する交差点

    右折車両が非優先道路から優先道路に出る場合

    優先直進バイクvs非優先右折車 10:90

    優先直進車vs非優先右折バイク 30:70

    右折車両が優先道路から直進車両の進行してきた非優先道路に入る場合

    非優先直進車vs優先右折バイク 80:20

    非優先直進バイクvs優先右折車 60:40

    優先道路の右折車と非優先道路の直進車が同じ非優先道路に向かって進行する場合

    非優先直進車vs優先右折バイク 70:30

    非優先直進バイクvs優先右折車 50:50

交差点における左折車両と直進車両の事故

直進バイクvs先行左折車 20:80

直進バイクvs追越左折車 10:90

追越左折バイクvs直進車 80:20

以上を基本過失割合として、大回り左折があったか、進入路が鋭角であったか、合図の有無やその遅れがあったかなどによって修正がなされ、また、脇見(道路交通法第70条)・著しいハンドル・ブレーキ操作不適切(道路交通法第70条)・飲酒(道路交通法第65条、117条の2第1号)・速度制限違反・携帯電話を使用ながらの運転(道路交通法第71条5号の5・第120条1項11号)・居眠り・無免許・過労・病気・薬物の影響(道路交通法第66条)などをした運転者の過失割合は不利に修正されます。

渋滞中の車両間の事故

渋滞中の車両間を右折又は直進によって抜けようとした車vs渋滞車両横を走行してきたバイク 70:30

交差点ではなく、渋滞中の車両間を右折又は直進によって抜けようとした車が路外に出るという場合は、バイクに有利に5~10修正がなされます。また、脇見(道路交通法第70条)・著しいハンドル・ブレーキ操作不適切(道路交通法第70条)・飲酒(道路交通法第65条、117条の2第1号)・速度制限違反・携帯電話を使用ながらの運転(道路交通法第71条5号の5・第120条1項11号)・居眠り・無免許・過労・病気・薬物の影響(道路交通法第66条)などをした運転者の過失割合は不利に修正されます。

道路外出入車両と直進車両との事故

道路外から道路に進入する際の事故

直進バイクvs路外車 10:90

直進車vs路外バイク 30:70

道路外に出るために右折した際の事故

直進バイクvs右折車 10:90

以上を基本過失割合として、路外から頭を出して待機していたところに直進車が衝突したかどうか、既に右折が完了しかかっているところに直進車が衝突したかどうか、道路が片側2車線以上の幹線道路であったかどうか、右折車が徐行していたかどうか、右折車の合図の有無などによって修正がなされ、また、脇見(道路交通法第70条)・著しいハンドル・ブレーキ操作不適切(道路交通法第70条)・飲酒(道路交通法第65条、117条の2第1号)・速度制限違反・携帯電話を使用ながらの運転(道路交通法第71条5号の5・第120条1項11号)・居眠り・無免許・過労・病気・薬物の影響(道路交通法第66条)などをした運転者の過失割合は不利に修正されます。

センターオーバー事故

センターオーバー事故の場合は、センターオーバー車両の一方的な過失によるものと判断されるのが原則です。

ただし、対向の直進車両に、前方不注視、脇見(道路交通法第70条)・著しいハンドル・ブレーキ操作不適切(道路交通法第70条)・飲酒(道路交通法第65条、117条の2第1号)・速度制限違反・携帯電話を使用ながらの運転(道路交通法第71条5号の5・第120条1項11号)・居眠り・無免許・過労・病気・薬物の影響(道路交通法第66条)などの事情がある場合には、直進車両に過失が認められることがあります。

その他、①一方通行道路、②道路左側部分の幅員が車両の通行のため十分でないとき、③道路の損壊・工事等の障害のため道路左側部分の通行ができないとき、④左側部分の幅員が6m未満の道路において他車を追い越す時とき、⑤勾配の急な道路の曲がりかど付近について道路標識等により通行方法が指定されているときなどは、センターオーバーをしてもよいことになっていますので、これらの場合には、センターオーバー車両の一方的な過失によるものと判断されず、双方の速度や道路状況等の具体的事情に基づいて過失割合を決めていくことになります。

同一方向に進行する車両同士の事故

同一方向に進行する車同士の事故としては、①追い越しをする車との事故②車線変更をする車との事故③追突事故が挙げられます。

  1. ①追い越しをする車との事故

    追い越し禁止場所の場合 追越バイクvs被追越車 80:20

    追い越し禁止場所ではないが追い越し危険場所の場合 追越バイクvs被追越車 75:25

    追い越し禁止場所でも追い越し危険場所でもない場合 追越バイクvs被追越車 70:30

    なお、追い越し危険場所というのは、凹凸の多い道路、降雨等によってスリップしやすい道路、見とおしがきかない道路、狭い道路、歩行者通行の多い道路、対向車等の通行頻繁な道路を指します。

    以上を基本過失割合として、追い越される車が追い越されることを認識しながら速度を落とすことをしなかった場合は追越バイクに有利に10%修正し、それどころか加速させたという場合は追越バイクに有利に20修正することになります。その他、脇見(道路交通法第70条)・著しいハンドル・ブレーキ操作不適切(道路交通法第70条)・飲酒(道路交通法第65条、117条の2第1号)・速度制限違反・携帯電話を使用ながらの運転(道路交通法第71条5号の5・第120条1項11号)・居眠り・無免許・過労・病気・薬物の影響(道路交通法第66条)などをした運転者の過失割合は10%~20%不利に修正されます。

  2. ②車線変更をする車との事故

    車線変更をする車と後続直進バイクとの事故の場合は、基本過失割合80:20とされています。
    車線変更をするバイクと後続直進車との事故の場合は、基本過失割合60:40とされています。

    ただし、進路変更禁止場所における車線変更、車線変更をする車両が進路変更の合図をしなかった場合、後続直進車が初心者マーク(道路交通法第71条の5)・シルバーマーク(道路交通法第71条の5)・身体障害者標識(道路交通法第71条の6)を付けていた場合や仮免許運転中の場合(道路交通法第87条3項)には、車線変更をするバイクの過失割合が不利に修正されることになります。その他、脇見(道路交通法第70条)・著しいハンドル・ブレーキ操作不適切(道路交通法第70条)・飲酒(道路交通法第65条、117条の2第1号)・速度制限違反・携帯電話を使用ながらの運転(道路交通法第71条5号の5・第120条1項11号)・居眠り・無免許・過労・病気・薬物の影響(道路交通法第66条)などをした運転者の過失割合は不利に修正されます。

  3. ③追突事故

    追突車両の一方的な過失によるものと判断されます。

    ただし、先行車両が不必要なブレーキを踏んだために追突事故となったようなケースでは、追突された車両にも過失が認められることがあります。

    また、先行車両が理由のない急ブレーキを踏んだために追突事故となったようなケースでは、追突された車両も過失が認められることになります。理由のない急ブレーキを踏んだのが車の場合は40%・バイクの場合は20%とされています。

    なお、駐停車車両に対する追突事故も、原則として追突車の一方的な過失によるものと判断されますが、降雨・濃霧・夜間で街灯がなく視認不良であるとか、駐停車禁止場所であるとか、非常点灯等の不灯火などの事情がある場合には、駐停車車両に過失が認められることになります。

Uターン車両と直進車両の事故

Uターン中の事故の場合、基本過失割合はUターン車90:直進バイク10となります。
逆の場合は、Uターンパイク70:直進車30です。
Uターン終了直後の事故の場合は、基本過失割合Uターン車80:直進バイク20となります。
逆の場合は、Uターンパイク60:直進車40です。

これらの基本割合に対して、見とおしがきかない道路、交通が特に頻繁な道路、Uターン車が合図をしていないといった事情がある場合には、Uターン車に不利に修正されることになります。その他、脇見(道路交通法第70条)・著しいハンドル・ブレーキ操作不適切(道路交通法第70条)・飲酒(道路交通法第65条、117条の2第1号)・速度制限違反・携帯電話を使用ながらの運転(道路交通法第71条5号の5・第120条1項11号)・居眠り・無免許・過労・病気・薬物の影響(道路交通法第66条)などをした運転者の過失割合は10%~20%不利に修正されます。

ドア開放事故

U停車中の車がドアを開け、道路を走行していたバイクと接触した場合の過失割合は、ドア開放車90:バイク10とされています。

事故当時夜間であった、ドア開放車がハザードランプや左折の方向指示器を付けずに停車していた、バイクが通りかかる直前にドアを開放したといった事情がある場合には、バイクの過失は減算され、過失なしとなることもあります。

他方で、タクシー停車直後であるとかトランクが空いているなどドア開放を予測させる事情のある場合や、バイクに脇見(道路交通法第70条)・著しいハンドル・ブレーキ操作不適切(道路交通法第70条)・飲酒(道路交通法第65条、117条の2第1号)・速度制限違反・携帯電話を使用ながらの運転(道路交通法第71条5号の5・第120条1項11号)・居眠り・無免許・過労・病気・薬物の影響(道路交通法第66条)といった事情がある場合には、バイクに不利に修正がなされます。

(5) 自転車vs四輪車・バイク

自転車vs四輪車・バイクの過失割合については、自転車事故解説のページをご覧ください。

(6) 高速道路上の事故

高速道路上の事故

高速道上の事故は、以下の5類型に分けられています。

合流地点における事故

  1. ①四輪車vs四輪車

    基本的な過失割合は本線車30:合流車70とされていて、あとは速度違反の有無や急加速の有無などの事情によって修正がなされます。

  2. ②本線バイクvs合流車

    基本的な過失割合は本線バイク20:合流車80とされていて、あとは速度違反の有無や急加速の有無などの事情によって修正がなされます。

  3. ③本線車vs合流バイク

    基本的な過失割合は本線車40:合流バイク60とされていて、あとは速度違反の有無や急加速の有無などの事情によって修正がなされます。

車線変更に伴う事故

  1. ①四輪車vs四輪車

    基本的な過失割合は後続直進車30:進路変更車70とされていて、あとは合図の有無やタイミング、進路変更禁止区間であったかいなか、直進車が初心者マーク(道路交通法第71条の5)・シルバーマーク(道路交通法第71条の5)・身体障害者標識(道路交通法第71条の6)を付けていたかどうか、直進車が仮免許中であったかどうか、速度違反、分岐点や出入り口付近であったかどうかなどの事情によって修正がなされます。
    なお、走行車線から追越車線へ進路変更する場合の基本過失割合は、後続直進車20:進路変更車70とされています。

  2. ②車線変更四輪車vs直進バイク

    基本的な過失割合は、後続直進バイク20:進路変更直進車80とされていて、あとは合図の有無やタイミング、進路変更禁止区間であったかいなか、速度違反、分岐点や出入り口付近であったかどうかなどの事情によって修正がなされます。
    なお、走行車線から追越車線へ進路変更する場合の基本過失割合は、後続直進バイク10:進路変更車90とされています。

  3. ③車線変更バイクvs直進四輪車

    基本的な過失割合は、後続直進車40:進路変更バイク60とされていて、あとは合図の有無やタイミング、進路変更禁止区間であったか否か、直進車が初心者マーク(道路交通法第71条の5)・シルバーマーク(道路交通法第71条の5)・身体障害者標識(道路交通法第71条の6)を付けていたかどうか、直進車が仮免許中であったかどうか、速度違反、分岐点や出入り口付近であったかどうかなどの事情によって修正がなされます。
    なお、走行車線から追越車線へ進路変更する場合の基本過失割合は、後続直進車30:進路変更バイク70とされています。

追突事故

高速道路での駐停車は原則として禁止されていますので(道路交通法第75条の8第1項本文)、高速道路において駐停車をして追突事故が発生したという場合、追突された車両についても過失割合が認められることが多いです。
ただし、路肩又は路側帯に駐車した車両に対する追突事故や、やむを得ない事情によって停止した後に停止表示器材設置など駐停車後の対応に過失のない車両に対して追突した事故の場合は、追突車両の一方的な過失であると評価されます。

落下物による事故

落下物による事故の場合の基本過失割合は、落下させた車60:後続衝突車40とされています。
後続車がバイクであった場合には、落下させた車70:後続衝突バイク30となります。
以上の基本過失割合に対して、視認状況、追越車線であったか否か、後続車の速度違反、脇見(道路交通法第70条)・著しいハンドル・ブレーキ操作不適切(道路交通法第70条)・飲酒(道路交通法第65条、117条の2第1号)・携帯電話を使用ながらの運転(道路交通法第71条5号の5・第120条1項11号)・居眠り・無免許・過労・病気・薬物の影響(道路交通法第66条)などの事情を踏まえ過失割合を決定していきます。

歩行車との事故

歩行者の高速道路への立ち入りは禁止されていますので(高速自動車国道法第17条1項,道路法48条の11第1項)、高速道路上の歩行者と車両との交通事故の場合は、歩行者の過失が多く認められます。
原則として歩行者の過失は80%とされ、あとは車両に脇見(道路交通法第70条)・著しいハンドル・ブレーキ操作不適切(道路交通法第70条)・飲酒(道路交通法第65条、117条の2第1号)・速度制限違反・携帯電話を使用ながらの運転(道路交通法第71条5号の5・第120条1項11号)・居眠り・無免許・過労・病気・薬物の影響(道路交通法第66条)などの事情があれば修正がなされるということになっています。
なお、駐停車車両近傍の歩行者の場合は、歩行者の過失は40%とされ、停止表示器材を設置していた場合には20%とされます。

(7) 駐車場内の事故

駐車場内の事故

四輪車同士の事故

駐車場内の通路進行車同士の交通事故の基本過失割合は、50:50とされています。
通路進行車と駐車区画から出た車との基本過失割合は、30:70とされています。
通路進行車と駐車区画へ入ろうとする車との基本過失割合は、80:20とされています。
ただし、駐車場の規模、通路の幅などは様々ですので、上記はあくまで目安にすぎません。

駐車場内の四輪車同士の事故で過失割合0:100で勝訴した解決事例 >>

歩行者と四輪車の事故

駐車場内における歩行者と四輪車の事故の場合、歩行者の基本過失は10%とされています。
この基本過失割合に対し、歩行者の年齢、急な飛び出しがあったか否か、駐車場内の状況などに照らし、過失割合が決められます。

(8)その他の事故類型

以上の事故類型の他にも様々な事故類型や過失割合が問題となる事故類型があります。

バイクvsバイク

バイクvsバイク

基本的には四輪車vs四輪車と同じように考えられますが、バイク固有の特殊事情を考慮する必要があります。

80:20と言われていた過失割合を裁判で40:60にした解決事例 >>

バイクの二人乗り

バイクの二人乗り

バイクの二人乗りをしていたケースにおいて、そのバイクが自損事故を起こし、後部座席に座っていた人が死亡ないしケガするというケースがあります。

無償でバイクに乗せてもらっていたのであるから同乗者にも過失が認められると主張されていたケースにおいて、裁判で過失0が認定された解決事例 >>

非接触事故

非接触事故

バイク事故の場合、衝突を回避するために転倒をして、相手車両と衝突が起こらないで事故になるというケースがあります。
非接触事故の過失割合の考え方は、接触事故の考え方を軸として、被害者の事故回避措置が不適切であった場合に修正がなされるということになっています。
被害者の事故回避措置の不適切性は、加害者が立証する必要があります。
この点は、衝突を目前にした被害者の時間的・空間的・心理的諸状況を総合勘案して判断されるべきとされていて、具体的には、①被害者が相手車両を発見した地点・時点、②その際の双方の距離・速度、③通常人がこれらを認識した場合、動揺・驚愕するか、その程度、④被害者が事故回避措置を開始した地点・時点、⑤発見時から事故回避措置開始時までの状況、⑥事故回避措置の内容及びその結果等を総合考慮し、被害者のとった事故回避措置が当該状況の下で通常人ならばとり得る事故回避措置を逸脱するものであったか否かが判断され、これが肯定される場合には、その不適切性の程度に応じて、過失割合が被害者に不利に修正されることになるとされています。

バイクの自損事故であるとされていたケースで裁判で6割の過失を加害者に認めさせた解決事例 >>

シートベルト非装着

非接触事故

シートベルトの装着の有無が過失割合に影響することがあります。
シートベルトを装着していたか否かが争点となることもありますし、シートベルト非装着が傷害の結果に寄与したといえるかが争点となることあります。

シートベルト非装着であったが、過失相殺されなかった解決事例 >>

Voice

依頼者の声

依頼者の声

過失割合で争いがあったケースの依頼者の声

北九州市40代女性 自営業 後遺障害等級14級(むち打ち)
車vs車

区役所での用事を終え、車に乗って帰ろうとしたところを駐車区画から突然出てきた車に衝突されてしまい、むち打ちとなってしまいました。
私からしたらどう考えても避けようのない事故だったのですが、保険会社さんからは、駐車場内の事故は原則50:50で、譲歩しても40:60程度と言われてしまいました。
納得がいかず、小杉弁護士にお願いをして、福岡地方裁判所小倉支部で裁判をしてもらいました。
先生は、駐車場の現地に行ってくれて、加害者の目線からの写真や見通し状況などについて報告書を作ってくれました。
また、区役所から駐車場の図面も入手してくれて、加害者の主張が間違っていることも指摘してくれました。
法廷で尋問も行いましたが、はじめて裁判というものに参加するので、最初は不安でした。
ただ、事前に尋問の練習をしてくれて、裁判の直前も確認作業を丁寧に行っていただき、本番では上手く話すことができたと思います。
おかげで、裁判官も私に過失が無いという判決を書いてくれました。
自分にも非がある事故と言われるのがどうしても納得いかなかったので、小杉先生にお願いして良かったです。

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相模原市40代男性 会社員 後遺障害等級14級(むち打ち)
車vs車

信号機のある交差点を青信号で進入した際に出合い頭の事故に遭いましたが、加害者から「こちらが青だった」と主張されてしまいました。
加害者の保険会社から、物損もケガの賠償もなされないので、弁護士さんにお願いして裁判をすることになりました。
実況見分の証拠の分析や、信号サイクルの分析などから、加害者側が青信号ということは無いということを立証してくれて、私の過失は無しという判断を得ることができました。
自分ではどうしようもなかったと思うので、裁判で勝っていただき感謝しています。

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福岡市40代女性 主婦 後遺障害等級9級(醜状障害)
車vs車

娘の運転する車に乗っていたところ、出合い頭の交通事故に遭い、顔を割れた窓ガラスで切ってしまいました。
加害者は、「こっちが優先だろ」と娘に言い寄り、まったく私たち家族の体の心配などせず、主人と加害者とで口論となりました。
そんな様子の加害者なので、治療費すら払ってくれず、弁護士さんにお願いすることになりました。
小杉弁護士は事故現場にも足を運んでくれて、私たち家族の話も聞いてくれて、丁寧に仕事をしてくれたように思います。
保険会社側は私たちの方が悪いという鑑定書を出してきましたが、それにも反論してくれて、結果として、福岡地方裁判所は加害者の方が悪いということを認めてくれました。
主張が真っ向から対立していたので裁判にまでなりましたが、長い間本当にお世話になり、感謝しています。

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東京都30代男性 会社員 後遺障害等級11級(示指中節骨骨折)
バイクvs車

バイクに乗って営業の外回りをしていたところで、交差点左側から飛び出してきた車にはねられてしまい、手指を骨折していまいました。
加害者は、一時停止した後に気をつけて出てきたのに、私のバイクが突っ込んできたなどと主張し、私の方が悪いかのようなことを言ってきました。
これは納得がいかないと思い、小杉弁護士にお願いすることにしました。
話し合いでは解決できなかったため裁判をすることになりましたが、特に私は出廷することもなく、刑事記録の分析などから加害者が一時停止をせずに飛び出してきたことなどを言ってくれて、無事2000万円で和解することができました。
1か月の入院生活や退院後のリハビリなどのため、仕事を思うようにできなくなり、部署異動を命じられ、収入も大幅に減ってしまいました。
小さい子供もいますし、家を買ったばかりでローンの支払いにも不安を感じていたので、とても感謝しています。
これで安心して暮らせます。

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熊本市20代女性 専門学生 後遺障害等級11級(眼窩底骨折)
自転車vs車

専門学校に通っていた際、自転車に乗っていたところを事故に遭ってしまい、顔に傷が残り、物が二重に見えるという後遺症を残してしまいました。
小杉弁護士にお願いして、症状にあった後遺障害の等級を獲得してもらいました(併合11級)。
ただ、この度の交通事故で就職が遅れてしまったことについての賠償は無いであるとか、私にも過失が35%あるとか、顔の傷については将来の仕事に影響が無いなどと言われ、裁判を選択することになりました。
小杉弁護士は、測量の仕事にいかに影響が出るかであるとか、私の自転車の走行態様が低速度であったことなどを丁寧に立証してくださり、就職遅延1年分の賠償もしてもらえることになり、過失割合も10%まで下がり、また、11級満額の逸失利益も獲得してくださいました。
裁判をしてよかったなと思っています。

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福岡市20代男性 会社員 後遺障害等級12級(前距腓靭帯損傷)
バイクvs車

バイクで勤務先から帰る途中で、駐車してあったトラックに追突してしまい、足の靭帯を損傷してしまいました。
追突した私が悪いので、相手方のトラック会社にも母と謝罪に行きました。
相手方のトラック会社からは、トラックの修理費100万円以上を請求され、場合によっては、トラックが使えなくなり営業できなくなった分の損害賠償請求もすると言われてしまいました。
そんなお金は払えませんし、なんせ駐車禁止の場所だったのでこちら側が100%悪いと言われることに納得もいかず、弁護士さんを探すことにしました。
小杉弁護士と出会い、追突ではあるが、どうにか100%の過失にならないようやってみると言ってもらい、お願いすることにしました。
話し合いでは、トラック会社側は、追突で100%の賠償をしないのはおかしいという一点張りで、減額に応じてくれず、裁判を打たれてしまいました。
尋問の準備も先生と一緒に入念に行い、なんとか判決で過失割合70:30まで修正させることができました。
他方で、私の足の靭帯損傷で後遺障害等級12級を取ってくれたので、トラック会社に支払う金額も全額そこから賄うことができました。
当時はどうなることかと思いましたが、弁護士さんにお願いしてよかったです。

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横浜市40代男性 公務員 後遺障害等級12級(半月板損傷)
バイクvs車

私がバイクで走行中に、道路の端ではなく真ん中近くを走ってくる車が対向からやってきて、慌てて避けようとした結果、転倒してしまうという事故に遭ってしまいました。
加害者は人の車を運転していたのもあったせいか、保険が使えず、また、そっちが勝手にころんだのだから自分に責任は一切ないと主張してきました。
行政書士さんに後遺障害等級14級は取ってもらっていましたが、裁判をお願いするために小杉弁護士に依頼しました。
小杉弁護士はまず加害者や加害者の会社の不動産について仮差押えをしてくれて、裁判が終わった後に加害者が逃げないようにしてくれました。
裁判は、横浜地方裁判所・東京高等裁判所と進みましたが、私が勝手に転倒したという加害者の言い分を排斥してもらい、また、後遺障害の等級も12級にしてもらいました。
仮差押えが効いて、判決の内容の賠償金も支払ってもらえましたし、弁護士さんにお願いして良かったと思っています。

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横浜市30代男性 会社員 後遺障害等級14級(環指末節骨開放骨折)
バイクvs車

バイクで走行していたところ、突然、駐車中の車の運転席ドアが開き、そのドアに衝突してしまいました。
薬指の骨を骨折してしまい、治療期間中も、うまく骨がくっつかなったことから、14級6号という後遺障害等級に該当することになりました。
今後も骨がくっつくことはないとお医者さんに言われてしまい、今後ずっと薬指が使いづらい状態が続くのかと嘆いていましたが、いざ示談交渉の場となると、保険会社は今後仕事がしづらくなることの賠償は3年間までしか認めないと言ってきました。
これでは納得がいかないので、示談ではなく裁判をしてもらうことにしました。
保険会社は3年までしか賠償を認めないという主張に加えて、私に2割の過失があるとも主張してきましたが、小杉弁護士と準備した尋問が成功し、今後仕事がしづらくなることの賠償は37年分認められ、過失も加害者が100%悪いという判決を獲得することができました。
既に治療費や休業損害などで400万円以上払ってもらっていたのですが、裁判をしてさらに700万円以上払ってもらうことになり、大満足な結果となりました。

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福岡市20代男性 大学生 後遺障害なし
バイクvs車

原付で走行していたところ、駐車場から飛び出してきた車に驚き転倒してしまいました。
私は優先道路を走行していたので、過失割合10:90というのが基本らしいのですが、保険会社から、車とは衝突していなかったので、10修正して、過失割合20:80と言われてしまいました。
私が転倒して回避していなければぶつかっていたと思いますし、なぜ転倒したことが不利に捉えられるのか理解できなかったため、小杉弁護士にお願いすることにしました。
お願いすると、その日のうちに、非接触事故の過失割合の考え方について書面を作成して、保険会社に送付してくれて、交渉1日で過失割合10:90にしてくれました。
こんなに早く解決するのかと驚きました。
小杉弁護士に依頼してよかったです。

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熊本県40代男性 会社役員 後遺障害等級14級(むち打ち)
車vs車

一時停止無視の車に衝突されてしまい、むち打ちとなってしまいました。
加害者は、自分は一時停止したという虚偽の主張をしてきたため、物損も示談がまとまらず、また、保険会社からは治療費も打ち切られ、困っていました。
県内の弁護士も探しましたが、交通事故に強い弁護士を探そうと思い、探す対象を福岡まで広げたところ小杉弁護士と出会いました。
小杉弁護士には、後遺障害等級の申請、過失割合の主張、主治医との面談、保険金請求など多方面にわたりお世話になりました。
私は身体が強いせいか、はじめは後遺障害等級非該当の判断でしたが、異議申立てにより14級を獲得してくださり、その後裁判となりました。
裁判では、ドライブレコーダーの解析をしていただき、映像が正面を向いていたため、加害者が一時停止をしたと言っている場面は収録されていませんでしたが、現地調査をしていただいた内容とあわせて加害者が一時停止をしていなかったことを立証してくれました。
一時停止していなかったとしてもこちら側に過失は少し取られてしまうのですが、その分は裁判の後に保険金請求をしていただき回収してもらいました。
弁護士探しを丹念に行って良かったと思います。

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Question

よくある質問

よくある質問

Q 物損の示談はしてしまっているのですが、ケガの示談はまだしていません。慰謝料などの請求の際には、物損の示談の際の過失割合が引き継がれるのでしょうか?

Q 保険会社の担当者から、動いている者同士の交通事故の過失割合は0:100にはならないと言われています。そのようなルールがあるのでしょうか?

Q 保険会社の担当者から、駐車場内の交通事故は基本50:50と言われています。そのようなルールがあるのでしょうか?

この記事の監修者弁護士

小杉 晴洋 弁護士
小杉 晴洋

被害者側の損害賠償請求分野に特化。
死亡事故(刑事裁判の被害者参加含む。)や後遺障害等級の獲得を得意とする。
交通事故・学校事故・労災・介護事故などの損害賠償請求解決件数約1500件。

経歴
弁護士法人小杉法律事務所代表弁護士。
横浜市出身。明治大学法学部卒。中央大学法科大学院法務博士修了。

所属
横浜弁護士会(現「神奈川県弁護士会」)損害賠償研究会、福岡県弁護士会交通事故被害者サポート委員会に所属後、第一東京弁護士会に登録換え。