交通事故コラム

時効

不法行為の消滅時効

2020.08.11

1 時効の起算点

人身損害に基づく請求も物的損害に基づく請求も、「被害者又はその法定代理人が損害及び加害者を知った時」から時効が起算されます(改正民法第724条1号)。しかし、物的損害と人身損害による時効の起算点は、その性質の違いから、起算点は異なり得えます。

① 物的損害:不法行為の翌日から時効が起算されます。

② 人的損害:原則として、症状固定日や、治癒日の翌日から時効が起算されます。しかし、事故と治療との因果関係が否定された場合には、事故日の翌日から時効が起算されることになるので要注意です。また、後遺障害が残存していない場合には、事故日の翌日から時効が起算されるとする説もあります。

③ 死亡による損害:死亡日の翌日から起算されます。

2 消滅時効期間

(1)主観的消滅時効

原則として、時効起算日から3年で時効消滅します(改正民法第724条1号)

ただし、「生命又は身体の侵害による損害賠償請求権」については、消滅時効期間は5年となっています(改正民法第724条の2)。

※消滅時効期間を5年とする改正民法第724条の2の規定は、令和2年4月1日に改正民法施行の際既に3年の消滅時効が完成していた場合には、適用しないとされていることに注意です(改正民法附則35条2項)。つまり、令和2年4月1日以降に時効が完成する請求権は、5年に延長されたが、令和2年3月31日以前に時効が完成していた請求権は、5年に延長されるわけではなく、時効期間は3年のままとなります。

(2)客観的消滅時効

不法行為のときから20年で時効が完成します(改正民法第724条2号)。

この記事の執筆者

小杉 晴洋
小杉 晴洋

被害者側の損害賠償請求分野に特化。
死亡事故(刑事裁判の被害者参加含む。)や後遺障害等級の獲得を得意とする。
交通事故・学校事故・労災などの損害賠償請求解決件数1000件超。

経歴
小杉法律事務所代表弁護士。
横浜市出身・福岡市在住。明治大学法学部卒。中央大学法科大学院法務博士修了。

所属
横浜弁護士会(当時。現「神奈川県弁護士会」)に登録後(損害賠償研究会所属)、福岡県弁護士会に登録換え(交通事故委員会所属)。