後遺障害等級の解説

相当等級

身体に残存した後遺障害について、後遺障害等級表に該当するものがない場合であっても、障害の程度に応じて各等級に「相当」するものとして、等級を定めることとしている。この等級のことを「相当等級」という。この相当等級には、以下の2つのケースがある。

1 ある後遺障害が、障害等級表上のいかなる障害の系列にも属さない場合

その障害によって生じる労働能力喪失の程度を医学的検査結果等に基づいて判断し、その障害が最も近似している系列の障害における労働能力喪失の程度に相当する等級を準用等級として定める。

例)

「嗅覚脱失」及び「味覚脱失」については、ともに12級の障害として取り扱う。

2 ある後遺障害がについて、系列は存在するが、該当する障害がない場合

この場合は、同一系列に属する2以上の障害が該当するそれぞれの等級を定め、併合の方法を用いて準用等級を定める。ただし、併合の方法を用いた結果、序列を乱すときは、その等級の直近上位又は直近下位の等級を障害等級とする。

例)「1上肢の3大関節中の1関節の用を廃し」(第8級6号)かつ、「他の、1関節の機能に著しい障害を残す」(第10級10号)の場合には、等級繰り上げの方法を用いて準用第7級を認定する。

この記事の監修者弁護士

小杉 晴洋 弁護士
小杉 晴洋

被害者側の損害賠償請求分野に特化。
死亡事故(刑事裁判の被害者参加含む。)や後遺障害等級の獲得を得意とする。
交通事故・学校事故・労災・介護事故などの損害賠償請求解決件数約1500件。

経歴
弁護士法人小杉法律事務所代表弁護士。
横浜市出身。明治大学法学部卒。中央大学法科大学院法務博士修了。

所属
横浜弁護士会(現「神奈川県弁護士会」)損害賠償研究会、福岡県弁護士会交通事故被害者サポート委員会に所属後、第一東京弁護士会に登録換え。